2021 Fiscal Year Annual Research Report
TNF受容体関連周期性疾患の疾患モデル細胞・モデルマウス作成と病態解析
Project/Area Number |
19K08923
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
平野 紘康 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10454828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 知之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00454421)
井関 將典 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30532353)
守田 吉孝 川崎医科大学, 医学部, 教授 (50346441)
松崎 秀紀 県立広島大学, 生命環境学部, 助教 (80335463)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | TNF受容体関連周期性症候群 / TRAPS / 自己炎症性疾患 / TNF / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
自己炎症性疾患TNF受容体関連周期性症候群の病態解析を行った。 前年までに作成したTRAPS変異モデルマウス(T79M、G87V、C62Y、T90I変異)4系統を用いて解析を行った。いずれの系統も通常飼育下では,正常に成長し、炎症の表現型を認めなかった。炎症惹起刺激としてLPS+D-Galactosamineの投与を行ったところ、野生型・T90Iで致死的反応を認める一方、T79M、G87V変異のヘテロマウスでは致死的反応が低下し、ホモマウスでは全く致死的反応を認めなかった。同様に、ヒトTNFトランスジェニックマウスとの交配実験で、T79M、G87V変異マウス(ヘテロおよびホモマウス)は、TNF依存性関節炎を認めなかった。マウス骨髄由来マクロファージを用いた実験で、T79M、G87V変異マウスはTNFに対する反応性(炎症性サイトカイン遺伝子発現、TNFR下流のシグナルの活性化)が低下していた。その機序として、T79M変異、G87V変異により、TNFR1の細胞表面発現が低下していた。 今回の研究結果から、T79M、G87V変異は膜型TNFR1の発現が低下することでTNFへの反応性が低下することが分かった。同様にリンホトキシンαに対する反応性も低下していた。本研究で検討した刺激においては、ヒトTRAPS患者にみられる炎症病態の再現はできておらず、炎症反応の誘導には病態特異的な他の炎症惹起因子が存在することが示唆された。 現在までの成果をまとめ、現在論文を投稿中である。
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Research Products
(4 results)