2019 Fiscal Year Annual Research Report
新規チクングニアウイルス感染関連細胞性因子の機能解析
Project/Area Number |
19K08929
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 淳 大阪大学, 微生物病研究所, 特任講師(常勤) (20321953)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ノックアウト細胞ライブラリー / ゲノムワイドスクリーニング / チクングニアウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでノックアウト細胞ライブラリーを用いて行ったゲノムワイドスクリーニングで得られたチクングニアウイルス(CHIKV)感染への関与が疑われる膜蛋白質遺伝子の候補についてCHIKV感染におけるその効果を検討した。当該膜蛋白質のノックアウト細胞への野生型CHIKV Thai#16856臨床分離株の有意な感染の低下と、ノックアウト細胞への当該遺伝子発現ベクターを導入したノックイン細胞でCHIKV感染感受性の回復が観察されたこと、及びこの膜蛋白質とCHIKV外皮膜膜蛋白質とが免疫沈降実験で共沈してきたことから、当該膜蛋白質がCHIKVの宿主細胞への侵入に関与している可能性が考えられた。一方、牛水疱性口内炎ウイルス(VSV)やマウス白血病ウイルス(MuLV)といった別種のウイルスの外皮膜にCHIKV外皮膜膜蛋白質を発現した組み換えシュードタイプウイルスベクターを用いた感染試験では、CHIKV感受性細胞株と当該細胞性因子のノックアウト細胞との間でこれらシュードタイプウイルスの感染性に差がみられず、当該膜蛋白質がCHIKVの細胞内ウイルス増殖に関与している可能性も出てきた。このため当該膜蛋白質遺伝子のノックアウト細胞並びにノックイン細胞でのCHIKV増殖について検討したところ、それぞれの細胞でのCHIKV増殖率に違いは認められなかった。 本研究で作製した増殖欠損型CHIKV発現プラスミドを用いた研究及び、EGFP標識CHIKVウイルス様粒子を用いた研究により、当該膜蛋白質が野生型CHIKV Thai#16856臨床分離株のcell-to-cell感染、または複数のウイルス粒子が同時に宿主細胞へ侵入できる状態での感染経路に関与している可能性を示すデータを得ることが出来た。今後はさらなる実験系を用いてこの膜蛋白質のCHIKV感染における役割について検討していく必要がある。
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[Journal Article] The Use of Green Fluorescent Protein-Tagged Virus-Like Particles as a Tracer in the Early Phase of Chikungunya Infection2019
Author(s)
Uranan Tumkosit, Yusuke Maeda, Natsuko Kishishita , Uamporn Siripanyaphinyo, Hiroko Omori, Prukswan Chetanachan, Pathompong Sittisaman, Chaitas Jityam, Thongkoon Priengprom, Hiroto Mizushima, Pattara Wongjaroen, Eisuke Mekada, Masashi Tatsumi, Naokazu Takeda, Atsushi Tanaka
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Journal Title
Virus Research
Volume: 272
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] The use of green fluorescent protein-tagged virus-like particles as a tracer in the early phase of chikungunya infection.2019
Author(s)
Tumkosit, U. Maeda, Y., Kishishita, N., Tatsumi, M., Takeda, N., and Tanaka, A.
Organizer
第67回日本ウイルス学会学術集会