2023 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of cleaved immunoglobulins in pathophysiology of lepromatous leprosy
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19K08946
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
阿戸 学 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 部長 (20392318)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫グロブリン / ハンセン病 / 免疫グロブリン様受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハンセン病は、世界で年間20万人以上の新規患者が認められ、依然として国際的に重要な公衆衛生学的課題である。ハンセン病は多様な症状を示す感染症であるが、その症状や感染の重篤度には、宿主免疫が大きく関わっている。Th2免疫応答が優位となるLepromatous(L)型の病態では、病変が全身に広がり、治癒にも長期間を要する。しかし、どのような分子機構によって、特定の病型を呈するようになるかは未だ不明である。 近年、L型ハンセン病患者のバイオマーカー候補として、免疫グロブリン様受容体(Leukocyte Immunoglobulin-like Receptor) A2 (LILRA2)が同定された。ハンセン病病変部位の自然免疫細胞におけるLILRA2発現およびリガンドである免疫グロブリン部分分解産物の存在について解析し、らい菌特異的獲得免疫のサイトカイン産生等で評価される免疫の質と強度を確認し、L型ハンセン病の病態形成因子を解明することを目的とする。23例の海外のハンセン病医療機関よりハンセン病患者から診療目的で採取された皮膚病理組織パラフィンブロックにつき、ヒトに対する医学研究倫理審査で承認を得て、入手した。うち10例のサンプルは、保存状態が悪く、使用できなかったため、13例のサンプルで、抗体染色の条件設定ならびにLILRA2-Fc融合タンパクによる結合物検出を試みた。Mouse IgG2A-Fc-human LILR2A-fusion protein (~CD85H:大阪大学より供与)で組織を染色。biotin標識anti-mouse IgG2A 抗体と反応させ、発色した。その結果、陽性細胞はハンセン病の皮膚組織に認められたが、感染細胞ではなく、肥満細胞で陽性反応が認められた。肥満細胞は非特異反応が多いため、本陽性所見が病態と関連があるかどうかは、更なる検討が必要と考えられた。
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