2019 Fiscal Year Research-status Report
Molecular epidemiology and mechanism of quorum sensing system in C. difficile
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19K08949
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥川 周 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20376461)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Clostridioides difficile / accessory gene regulator / quorum sensing |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度はC. difficileのagr遺伝子のin silico解析と、in silico解析の結果に基づいたC. difficile臨床分離株の中でのagr遺伝子の亜型の分子疫学解析を行った。既に報告があるC. difficileのagr遺伝子のlocusのうち、agr1 locusについてはCD630株のagrB1とagrD1の遺伝子情報を、agr2 locusについてはR20291株のagrB2, agrD2, agrC2, agrA2の遺伝子情報をテンプレートとして、nucleotide BLASTデータベース上に登録があるC. difficileの全ゲノムデータの中で相同性が高いシークエンスを検索した。結果、大きく分けて3つのagr遺伝子パターン、agr1、agr2M、agr2Rが見出された。この3つの遺伝子タイピングを行うプライマーを設計し、自施設に保存されている臨床分離C. difficile株133例を解析した。agr1のみが44株、agr1とagr2R保有が61株、agr1とagr2M保有が26株、いずれも検出されない株が2株あった。
MLST(Multilocus sequence typing)を用いた系統樹解析との関連をみたところ、agr2Rは主にClade 1またはClade 2に、agr2MはClade 4のみにみられた。agr1は大半の株が保有しているが、いずれのagrも検出されなかった2株はClade C-IとC-IIIであった。いずれのagrも検出されなかった株は非毒素産生株であったが、他のagrタイプでは毒素産生株、非毒素産生株ともにみられた。
本年度はこれまでに報告されていないC. difficileのagr遺伝子の分子疫学的多様性を示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初2021年度に予定していた遺伝子変異株の作成を前倒しし、本年度から開始したが計画全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子タイピングされた臨床分離株と作成中の遺伝子変異株を用い、C. difficileにおけるagr遺伝子関連のクオラムセンシング機構と病原性の関連を引き続き解明する。
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Research Products
(10 results)