2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K08952
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 正大 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (20547533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弓指 孝博 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (10250284)
青山 幾子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主幹研究員 (90332452)
池森 亮 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 研究員 (90827255)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本紅斑熱 / リケッチア / ツツガムシ病 / モノクローナル抗体 / POCT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、紅斑熱群リケッチア及びツツガムシ病リケッチアそれぞれに対して特異的なマウス単クローン抗体の作製し、重症熱性血小板減少症候群抗体(SFTSV)に対する単クローン抗体とともに同一のキットとして組み合わせたダニ媒介感染症鑑別用抗原検出迅速診断キットの開発及び評価を行い、臨床現場におけるダニ媒介感染症の診断精度の向上を目指すことを目的とし検討を行った。 日本紅斑熱リケッチア(YH株)を不活化した抗原を用い、これまでに8匹のマウスに免疫を行い、その脾細胞とヒュージョンパートナー細胞であるPAI細胞を用いて細胞融合法により日本紅斑熱リケッチアに対して特異的なマウス単クローン抗体産生ハイブリドーマの作出を試みた。その結果、日本紅斑熱に対して強く反応する2種類の抗体を産生するハイブリドーマの作出に成功した。これらの抗体は、同じくダニ媒介性で発症後に日本紅斑熱との鑑別診断が困難とされているツツガムシ病リケッチア(Gilliam株、Karp株、Kato株、Kuroki株、Kawasaki株)に対し交差反応性を示さないことが確認されたことから、本抗体はイムノクロマトグラフ法を用いた迅速診断キットへの応用が可能であると考え、現在研究協力者により迅速診断キットへの応用を行っていただいている。 残念ながら新型コロナウイルスパンデミックによる影響により、ツツガムシ病リケッチアに対する単クローン抗体の作製を行うことはできなかったものの、本研究で得られた抗日本紅斑熱リケッチア単クローン抗体を用いた迅速診断キット及び並行して国際共同研究強化(B)(課題番号:18KK0271)にて開発を進めていたSFTSVに対する迅速診断キットが製品化されれば、臨床の現場においてダニ媒介感染症の診断の精度向上に十分に役立つものと考えられる。
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