2020 Fiscal Year Research-status Report
肺炎球菌感染症の重症化に関わる免疫と感覚神経の相互作用の解明
Project/Area Number |
19K08959
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
杉田 玄 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20407274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 真喜子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00795594)
河野 正充 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20511570)
保富 宗城 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90336892)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺炎球菌 / ニューモリシン / TRP |
Outline of Annual Research Achievements |
肺炎球菌の鼻咽腔定着、肺炎、全身感染に炎症に対する制御機構である感覚神経チャンネルであるTransient Receptor Potential(TRP)がどのように関与しているかについて、肺炎球菌感染モデルを用いて検討した。TRPVノックアウトマウス(TRPV1KOマウス、TRPV4KOマウス)および野生型マウス(C57BL/6J)に肺炎球菌強病原性株である6A株を経鼻接種し、鼻腔保菌量、菌血症発症頻度、敗血症経過を検討した。鼻腔保菌量は野生型マウス、TRPV1KOマウス、TRPV4KOマウスいずれも同等であった。一方で、野生型マウスと比較してTRP KOマウスでは有意に高い菌血症の発症率を認めた。敗血症モデルにおいても、野生型マウスと比較してTRP KOマウスでは有意に高い敗血症の発症率を認めた。最終年度において、肺炎球菌感染症の重症化におけるTRPを介した炎症制御機構について、肺炎球菌の病原因子であるニューモリシン(PLY)の役割を明らかにする。肺炎球菌株:TIGR4(血清型4型)、EF3030(血清型19型)、L82016(血清型6B型)、BG7322(血清型6B型)、D39(血清型2型)、P1547(血清型6A)のPLYノックアウト株を作成し、鼻腔保菌モデルにおける鼻腔保菌量、菌血症発症率、敗血症経過を評価する。また遺伝子組換PLYを作成し、PLY補充により同感染モデルにどのような変化が起こるか評価する。最終年度の研究により、肺炎球菌感染症におけるTRPの役割と肺炎球菌病原因子の関わりについて解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺炎球菌野生型(6A株)による感染モデルの検討はほぼ終了している。現在、ニューモリシンノックアウト株を作成しており、最終年度に予定している感染実験を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
肺炎球菌感染症の重症化におけるTRPを介した炎症制御機構について、肺炎球菌の病原因子であるニューモリシン(PLY)の役割を明らかにする。肺炎球菌株:TIGR4(血清型4型)、EF3030(血清型19型)、L82016(血清型6B型)、BG7322(血清型6B型)、D39(血清型2型)、P1547(血清型6A)のPLYノックアウト株を作成し、鼻腔保菌モデルにおける鼻腔保菌量、菌血症発症率、敗血症経過を評価する。また遺伝子組換PLYを作成し、PLY補充により同感染モデルにどのような変化が起こるか評価する。
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Causes of Carryover |
昨年に引き続き、コロナ感染症により人の往来が禁止されたため、学会発表がなく旅費が抑えられた。
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Research Products
(1 results)