2023 Fiscal Year Annual Research Report
Progressing factors of nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD) by gene analysis of serial liver biopsies.
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19K08975
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
竹下 有美枝 金沢大学, 医学系, 准教授 (40507042)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非アルコ-ル性脂肪性肝疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
NAFLDは糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満症などを合併するだけでなく、NASを経て肝硬変、肝がんに至る。申請者は、糖尿病患者にNAFLD・NASHが高率であること、糖尿病合併NAFLDの肝がん発生リスクは2.16倍に及ぶこと(Gastroenterology 2004)を報告した。このため、NAFLDを伴う糖尿病患者の治療では、糖尿病の治療に加えて肝臓そのものに対する適切な治療法が模索されている。肝臓は糖代謝の中心をなす臓器であるが、糖尿病治療薬によってNAFLDの肝臓病理が変化する場合、その糖代謝に及ぼす影響は不明である 2型糖尿病を有するNAFLD患者に対して連続肝生検を行い、肝臓の線維化に寄与する因子はHbA1c低下およびインスリン治療であること(Diabetes Care 33:284-286, 2010)を明らかにした。NAFLD伴う2型糖尿病患者40例を対象にSGLT-2阻害薬とスルホニル尿素(SU)薬が肝臓病理所見に及ぼす影響について、連続肝生検を行うRCT研究を報告した。SGLT-2阻害薬とSU薬は、ともにHbA1cを同等に有意に低下させたが、SGLT2阻害薬群でのみ、肝酵素・体重・肝臓病理スコアが有意に低下した。さらに、48週間のSGLT-2阻害薬介入による肝線維化の改善率は60%であり、既報に比し高い改善率を示した(Diabetes Care 45:2064-75, 2022)。SGLT2阻害薬は、アポト-シス・ストレス応答・炎症・T細胞応答・線維化に関与する遺伝子が低下し、脂肪酸異化・アミノ酸異化・糖新生・TCAサイクル・酸化的リン酸化に関与する遺伝子が上昇したが、SU薬ではこのような変化がなかった(Diabetes Care 45:2064-75, 2022)。
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Research Products
(11 results)