2022 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋Pin1による運動機能及びエネルギー代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
19K08982
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中津 祐介 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (20452584)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Pin1 / 骨格筋 / 運動 / foxo1 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロリン異性化酵素Pin1は、基質のpSer/pThr-Pro配列に結合し、プロリンのシス―トランス異性化を行うことにより、標的蛋白の機能を調節している。本研究では、Pin1の骨格筋機能における役割を明らかにすることを目的として、研究に着手した。 ①Pin1 floxマウスとalpha-actin promoter creマウスを交配し、骨格筋特異的Pin1 KOマウスを作成した。②普通食負荷時には、WTマウスとKOマウスで体重や糖代謝に差は認められなかったが、高脂肪食負荷を行うとKOマウスは、より体重が増加しやすく、耐糖能の悪化も認められた。これらと一致して、KOマウスは肝重量や脂肪重量がWTマウスより高く、肝脂肪蓄積もより顕著であった。③トレッドミルを用いて、運動能力を調べたところ、KOマウスはWTマウスと比較して運動能力が低値であった。④高脂肪食を負荷した後、マウスにインスリンを投与し、肝・筋・脂肪でのインスリンシグナルへの変化を検討したところ、KOマウスの肝・筋においてAktのリン酸化が減弱していることが認められた。一方、脂肪組織においてAKtのリン酸化は差が認められなかった。⑤KOマウスにおいて耐糖能が悪化している原因を調べるために、高脂肪食負荷後に骨格筋を摘出し、RNA-seqを行い、GO解析やGSEA解析をした。その結果、骨格筋の機能に重要なFoxo1の発現量がKOマウスで、顕著に高かった。 以上のことより、骨格筋のPin1は、糖代謝や運動能力に重要な役割を担っていることが明らかとなった。
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[Journal Article] Involvement of neuronal and muscular Trk-fused gene (TFG) defects in the development of neurodegenerative diseases.2022
Author(s)
Yamamotoya T, Hasei S, Akasaka Y, Ohata Y, Nakatsu Y, Kanna M, Fujishiro M, Sakoda H, Ono H, Kushiyama A, Misawa H, Asano T.
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 12
Pages: 1966
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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