2021 Fiscal Year Annual Research Report
伸展刺激で得られる骨格筋細胞外小胞は新たな糖代謝改善薬になり得るか
Project/Area Number |
19K08993
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 従道 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80572619)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / 進展刺激 / 骨格筋 / 脂肪細胞 / 糖取り込み / AMPK |
Outline of Annual Research Achievements |
培養骨格筋細胞(C2C12 myotubes)に伸展刺激を加え、分泌される細胞外小胞(EVs: Extracellular Vesicles)が骨格筋細胞や脂肪細胞において糖取り込み促進作用があることを見いだしている。基底状態においてもC2C12 myotubes からEVs(Basal EVs)は分泌されるが、糖取り込み促進作用は認めず、伸展刺激により分泌されるEVs(Stretch EVs)のみ糖取り込み促進作用がある。そこで、Basal EVsとStretch EVsが脂肪細胞に作用しているのかを確認するため精製したEVsに蛍光ラベルし、脂肪細胞に添加したところ、脂肪細胞はBasal EVsとStretch EVs共に取り込んでいた。つまり、Stretch EVs含有分子が、取り込まれた脂肪細胞内で糖取り込み機構を制御することが確実となった。質量分析によりEVs内蛋白を調べたところ、Stretch EVsには糖代謝に関与するリン酸化AMP-activated protein kinase(AMPK))が含有されることを見いだした。そしてウェスタンブロットにてもStretch EVsにリン酸化AMPKが増加していることが確認できた。さらに、AMPKの阻害剤であるCompoundCを用いて糖取り込みを観察したところ、Stretch EVsによる糖取り込みが一部抑制された。つまり、Stretch EVsによる糖取り込み促進作用にはリン酸化AMPKの脂肪細胞内への持ち込み、増加が関与することを発見した。 また、同時に糖尿病モデルマウスへの糖代謝への影響を観察するための条件設定を行なっている。In vitroにて精製したEVsがin vivoにて糖代謝を改善することができる場合、インスリン刺激とは独立した糖取り込み機構の解明、新たな糖尿病につながると考えられる。
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