2019 Fiscal Year Research-status Report
血管・脂肪組織由来新規分泌因子Favineの機能解析
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19K09001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 祥子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80649111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 道夫 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00403056)
福原 淳範 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (00437328)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Favine / 脂質代謝 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満や糖尿病では動脈硬化が発症進展するが、その機序には依然不明な点が多い。研究代表者らは動脈硬化症に関わる新たな候補因子を探索し、血管より分泌される分泌因子Favine(fat/vessel-derived secretory protein)を同定し、本因子に着目した研究を行っている。これまでFavineが脂肪細胞の分化促進作用および脂肪蓄積促進作用を有することを明らかとしてきたが、現在はFavineが脂肪細胞および血管に対して有する作用をさらに詳細に解明中である。具体的にはin vivo実験においてはFavine欠損マウスと動脈硬化モデルマウス(アポリポプロテインE欠損マウス)を交配して得られたダブル欠損マウスに高コレステロール食を負荷し、動脈硬化病変の組織学的評価を行っている。他の臓器に関する病理学的評価も進めており、Favineの全身への作用を探索中である。血管におけるFavineの機能解析のため、血管構成細胞に対してFavine遺伝子の過剰発現または発現抑制実験を行っている。これらの研究を通して、新規の動脈硬化発症進展メカニズムの一端が明らかとなりつつあることは非常に意義深く、今後、メタボリックシンドロームの病態解明にもつながる可能性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス実験は、半年から1年にわたる長期間の観察期間を必要とする。2019年度の飼育および観察はおおむね順調に進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
アポリポプロテインE欠損マウスおよびFavineを欠損したダブル欠損マウスの大動脈の各種遺伝子発現、DKOマウスの脂質プロファイリングの詳細な検討を行う。血管系細胞および脂肪細胞におけるFavineの直接標的因子を同定する。これらと並行してFavineの濃度測定系の開発を行う。Favineの受容体を同定する。
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Research Products
(2 results)