2021 Fiscal Year Annual Research Report
ベージュ脂肪細胞の機能維持に必要な因子の探索と機能解析
Project/Area Number |
19K09005
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大野 晴也 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (60725894)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | PPARα / ベージュ脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱産生脂肪細胞のひとつであるベージュ脂肪細胞は長期の寒冷刺激や薬剤投与によって白色脂肪細胞中に誘導され、その熱産生能からくるエネルギー散逸機能により、肥満症や2型糖尿病治療への応用が期待されている。しかしベージュ脂肪細胞は分化刺激を失うと急速にその機能を失ってしまう。また、分化刺激として有用なアドレナリン作動薬やPPARγアゴニストは、長期使用に血圧上昇や心不全悪化などの副作用が問題となる。我々はベージュ脂肪細胞の機能維持において、核内受容体スーパーファミリーに属するPPARα(peroxisomeproliferator-activated receptor α)が熱産生関連遺伝子の発現を制御していること、PPARαは核内でELK1と結合して、UCP1などの熱産生遺伝子制御を行っていることを明らかにした。また本年度は、マウスモデルにβ3アゴニストの慢性投与を行い、白色脂肪組織中に十分にベージュ脂肪細胞を誘導した後に、PPARαアゴニストを投与し、さらに高脂肪食、非低温下にマウスを飼育して、体重増加や耐糖能の変化を検討した。PPARαアゴニスト投与により誘導されたベージュ脂肪細胞の熱産生遺伝子の発現が維持され、体重増加や耐糖能悪化が抑制されていることを明らかとした。一度誘導したベージュ脂肪細胞を維持する方法として、PPARαアゴニストのELK1を介した熱産生機能維持効果の有効性が明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)