2021 Fiscal Year Annual Research Report
DBPシグナルを介した時計遺伝子ネットワークによるインスリン分泌制御機構の解明
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19K09006
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
太田 康晴 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60448280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 優 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90717547)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / 骨格筋 / インスリン分泌 / インスリン感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
DBPとE4BP4は、それぞれ転写活性化、転写抑制因子として、D-boxに対してreciprocalに作用する。我々は、D-boxに対する転写活性化シグナルは、膵β細胞のみならず、肝細胞、さらには骨格筋における糖代謝制御機構に極めて重要な役割を担っていることを示してきた。しかしながらこれまで我々は、臓器特異的にE4BP4を過剰発現させることによってDBPの作用抑制が臓器特異的に引き起こされることを想定して解析を行ってきており、DBPそのものの機能解析はまだ不十分であると考えた。そこでDBP自体が、膵β細胞におけるインスリン分泌、肝と骨格筋のインスリン感受性にどのような役割を持っているのかを明らかにするために全身型のDbp欠損(KO)マウスを樹立し、このマウスの解析を行なった。KOマウスは、 経口糖負荷試験では耐糖能障害はほとんど認められなかった。一方、糖負荷試験での負荷後30分のインスリン分泌は野生型(WT) vs KO=0.378 vs 0.11(ng/ml)であり、KOマウスで低下していた。ピルビン酸負荷試験においては、KOマウスで高血糖が認められたため、肝糖新生もKOマウスで増加していることがわかった。インスリン負荷試験を行なった。負荷後90分、120分においてDbp KOマウスで血糖値が低くなることがわかった。2-Deoxy Glucose(2-DG)のin vivoでの糖取り込みをインスリンと同時に投与して解析したところ、 KOマウスの腓腹筋では、WTの4倍の2-DGの取り込みが認められた。さらにインスリン投与後の腓腹筋のAKTのリン酸化もKOマウスではWTの3倍に増加していた。Dbp KOマウスでは、骨格筋のインスリン感受性が明らかに亢進しているため、インスリン分泌不全があるにも関わらず、明らかな耐糖能障害が認められなくなっていることがわかった。
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[Presentation] 「時計遺伝子による代謝制御はどこまで糖尿病に関わっているのか」を探求する2021
Author(s)
太田康晴, 田口昭彦, 松村 卓郎, 藤本留理子, 中林容子, 廣重俊典, 梶邑泰子, 山本 薫, 神吉けい太, 汐田剛史, 明石 真, 谷澤幸生
Organizer
第64回日本糖尿病学会年次学術集会
Invited
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[Presentation] 非糖尿病者における糖代謝の概日リズムに基づいた時計遺伝子モニタリングの有用性の検討2021
Author(s)
藤本留理子, 太田康晴, 松村卓郎, 田口昭彦, 山本 薫, 廣重俊典, 秋山 優, 竹田孔明, 明石 真, 谷澤 幸生
Organizer
第20回日本先進糖尿病治療研究会, 第18回1型糖尿病研究会(合同開催)
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