2023 Fiscal Year Annual Research Report
POMCを軸とする内分泌ネガティブフィードバック機構の分子機序の解明
Project/Area Number |
19K09007
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
岩崎 泰正 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (30303613)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロオピオメラノコルチン / ストレス / ネガティブフィードバック / グルココルチコイド / 下垂体 / GDF15 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目標は、視床下部・下垂体・副腎系(HPA軸)のネガティブフィードバック調節を制御する分子機序を明らかにすることである。副腎皮質から分泌されたグルココルチコイド(GC)は、直接間接に下垂体POMC発現に抑制的に作用する。その機序を明らかにするため弘前大学蔭山准教授と連携した研究を本年度も継続した。 昨年度までの研究において私どもは、サイトカインの一種であるGDF15が下垂体レベルにおいてグルココルチコイドによるPOMCへのネガティブフィードバックに関与していることを明らかにした (Peptides, 2022; 155:170841)。本年度は、GDF15がHPA軸の最上位ホルモンである視床下部CRH発現細胞に及ぼす影響を、視床下部CRH発現神経細胞株4B細胞を用いて検討した。 その結果、1) 4B細胞にGDF15の特異的受容体であるGFRALの発現を認めた。2) GDF15はGFRALを介してCRH遺伝子の転写活性とmRNA量を増加させた。3)上記の作用には、AKTリン酸化、extracellular signal-related kinase、およびCREBが関与していた。これらの結果から、GDF15はストレス関連サイトカインとして、視床下部レベルでCRHの発現調節に促進的に関与していることが明らかとなった。 CRHは抑制作用を有することは古くから知られている。またGDF15はin vivoにおいて摂食抑制作用を呈することも他の研究により明らかにされている。ストレス時に発現が誘導るGFD15は、GCと同様に下垂体レベルでPOMC発現に対しネガティブフィードバック作用を発揮するが、視床下部では急性ストレス時の食欲不振に関与している可能性がある。
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Research Products
(1 results)