2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K09012
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木内 謙一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50528578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 雅夫 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20432578)
宮下 和季 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (50378759)
三上 洋平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80528662)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 概日リズム / T細胞 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
概日リズムと代謝恒常性の関連は深く、リズムの障害は癌、メタボリックシンドローム、睡眠障害など幅広い疾患の病態生理への関与が示唆されている。実際に、概日リズムを司るのに重要な生体時計は癌細胞などの増殖細胞では発現の低下や振動の減弱が報告されている他、体内時計の欠損はミトコンドリアにおける酸化代謝を抑制し、解糖系を促進することが報告されており、体内時計の細胞増殖代謝への関与が示唆されている。本研究はT細胞が活性化する際の増殖代謝と概日時計の関与を検討するため、最初に脾臓におけるCD4陽性Tリンパ球のサブセットの割合において、概日時計が関与するかどうか検討を行った。8~12週齢のBmal1欠損マウスおよびコントロールマウスの脾臓よりセルソーターを用いてCD4陽性CD25陰性の細胞分画を単離し、更にCD44とCD62Lの発現に基づいて、ナイーブT細胞(Tn: CD44lo CD62Lhi)、セントラルメモリーT細胞(Tn: CD44hi CD62Lhi)、エフェクターメモリーT細胞(Tn: CD44hi CD62Llo)の割合を検討した。野生型、Bmal1欠損マウス共に、ナイーブT細胞の分画は約70%、エフェクターメモリーT細胞の分画は約15%であり、CD4陽性Tリンパ球のサブセットの割合に差は見られなかった。一方で、Tn細胞を単離、培養し、CD3/28抗体で刺激したところ、Bmal1欠損Tnで細胞分裂が亢進し、細胞数の増加が観察された。また、Tn細胞の遺伝子発現を検討したところ、解糖系、グルタミン酸化酵素の遺伝子発現の亢進を認めたほか、MYC蛋白発現がBmal1欠損Tnで亢進していた。今後、Cry1Cry2欠損マウスでのTn細胞についても検討するほか、トランスクリプトームやChIP-seqによる網羅的解析も行う予定である。
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Research Products
(6 results)