2019 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア機能調節因子としてのmiR-494-3pの役割
Project/Area Number |
19K09020
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
森野 勝太郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90444447)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ミトコンドリア / 糖代謝 / 脂質代謝 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、miR-494-3pの代謝調節における役割をin vivoで解明する事である。 本研究に先立ち、我々は3T3-L1脂肪細胞及びマウス初代脂肪細胞において、miR-494-3pが細胞分化に伴って減少し、PGC-1αを介してミトコンドリアバイオジェネシスを調整する事によりBeige化に関与する事を報告した。本研究では、これらの現象をin vivoで検証するためmiR-494-3pノックアウトマウスを作成し、そのPhenotypeを検討した。ノックアウトの証明に約1年間を要したが、KOマウスはWTマウスとほぼ同様の成長曲線を示すことが分かった。またミトコンドリア機能異常に伴う妊孕性低下が懸念されたがF3に至るまでほぼメンデルの法則に則った遺伝が確認されている。Metabolic Cageを用いた検討でもエネルギー消費量、呼吸商には大きな変化を認めていない。科研費申請書の計画に基づき、寒冷刺激と高脂肪食負荷を行う予定であったが、研究の遅れにより十分なN数が得られておらず、結論に至っていない。 現時点で確認された内容として、①miR-494-3p KOマウス由来の初代脂肪細胞はWT由来の初代脂肪細胞に比してBeige化が進んでいる。②寒冷刺激直後の体温上昇がmiR-494-3p KOマウスにおいて顕著である点がある。これらの結果は、我々の先行研究を追試するものであり、in vivoにおけるmiR-494-3pの役割の重要性を示唆している。β3刺激薬はマウス脂肪組織におけるmiR-494-3p発現を低下させることも観察されており、miR-494-3p KOは交感神経の持続刺激に類似したPhenotypeを呈している可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックアウトマウスの作成は筑波大学との共同研究で実施した。 Founder内にnullマウスを3 lineを得ることができ、PCR法でのgenotypingやsequenceではnullが確認できるが、RTqPCRではnullマウスにおいても一定量のmiR-494-3p発現が確認されたため、方法論の検討に1年を要した。現時点ではfounderは全てKOマウスであったと結論づけており、phenotypeの解析に移っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画では2019年に脂肪組織、2020年に骨格筋を中心とした検討を進める予定であった。本年前半に脂肪組織に関する検討を行うと同時に、後半では骨格筋についても並行して検討を進める予定である。2019年度後半は順調な進捗を見せており、2020年度に一報目の論文作成に取り掛かれると考えている。コロナウイルスの影響で海外との共同研究が滞る可能性があり、国内の共同研究先も模索中である。
|