2020 Fiscal Year Research-status Report
TASCLを用いた人工膵幹細胞からインスリン分泌細胞への分化誘導法の開発
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19K09051
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
潮平 知佳 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50325833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
池内 真志 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (90377820)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 組織特異的幹細胞 / iTS-P / TASCL / 3次元培養 / マイクロデバイス / インスリン分泌細胞 / 糖尿病マウス / 血糖降下作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マイクロデバイスTASCL(Tapered Stencil for Cluster Culture)を使用してiPS細胞作成技術を応用して作成した、人工組織特異的膵幹細胞(induced tissue specific pancreatic stem cells:iTS-P細胞)からインスリン分泌細胞を効率よく作成することを目的とする。 幹細胞からインスリン分泌細胞への効率のよい分化誘導法の開発は未だ途上段階にあり、過去に我々はiTS-P細胞において2次元培養よりも、スフェロイド(3次元)培養がインスリン分泌細胞への分化誘導効率がよいことを報告した(Miyagi-Shiohira C et al. Sci Rep; IF4.122)。その際iTS-P細胞のスフェロイドのサイズが不均一であると分化誘導効率も一定ではなく、インスリン分泌細胞の機能効率が悪いという欠点があった。 今回は、iTS-P細胞を使用して作製するインスリン分泌細胞のスフェロイドの欠点を改善するために、マイクロデバイスTASCLを用い細胞塊のサイズを実際の膵島細胞に合わせ、さらに細胞移植に必要な細胞塊を一度に大量で均一に作製するためにマイクロデバイスTASCLに改良を加えながらわれわれが作製したiTS-P細胞に応用し、人工インスリン分泌細胞塊を作成することに成功した。本年度はそのTASCLで作製した人工インスリン分泌細胞を糖尿病マウスの腎臓の皮膜下に移植して、血糖降下作用を経時的に測定し、実際に移植した人工インスリン分泌細胞の生着率を評価するを行うこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロデバイスTASCLを使用して効率のよいインスリン分泌細胞の作製に成功した。 糖尿病マウスに必要な移植細胞を大量に培養することにも成功した。また、実際に糖尿病マウスへの腎皮膜下移植も成功しており、概ね血糖降下作用を確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロデバイスTASCLを使用して効率のよいインスリン分泌細胞を糖尿病マウスに移植するのに必要な量を培養作製することに成功した。統計学的に有効な数の糖尿病マウスに細胞を移植し、血糖降下作用の経時変化および細胞生着率を確認する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言や蔓延予防措置適応において、本来ならば行われるはずの学会発表や研究推進事業のための出張が行えなかったことと、業者の営業自粛のために必要物品の購入が出来なかったことによる。使用できなかった費用は令和3年度に物品を購入する費用に充てる計画である。
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Research Products
(2 results)