2021 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺細胞診検体を用いた濾胞癌におけるゲノムワイド分子診断マーカーの探索
Project/Area Number |
19K09055
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
軸薗 智雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (10465312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 宰 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70293214)
杉谷 巌 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50465936)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 甲状腺細胞診 / 甲状腺濾胞癌 / マイクロRNA / 分子診断マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
私共はこれまで、バイオマーカーや薬剤標的分子の候補を探索する目的で、術後遠隔転移を認めた濾胞癌症例の術後の病理検体であるホルマリン固定パラフィン標本(FFPE標本)を使用し、高密度マイクロアレイによるゲノムワイドトランスクリプトーム解析を実施した。その結果、新たな知見として、ケモカイン様タンパク質であるFAM19A2のmRNA発現が濾胞癌組織において顕著に上昇することを明らかにした。さらに、その後の解析により、FAM19A2の特定のスプライスバリアントが濾胞癌において特異的に発現し、乳頭癌や濾胞腺腫ではほとんど発現しないことが示された(特許申請中)。このことから、本スプライスバリアントは、濾胞癌特異的バイオマーカーとしての臨床応用が期待されている。 上記の内容について、2021年11月、日本甲状腺学会にて「甲状腺濾胞癌特異的マーカーの開発について」と題し講演したが、コスミック研究創成賞・優秀賞を受賞(2回目)することが出来た。さらに、私共は症例数を増やし、またこのFAM19A2のほかにもう一つ有望な甲状腺癌マーカーであるLRRK2と併せた2つのマーカーについて検討している。これらの研究成果は、「甲状腺濾胞癌の診断バイオマーカーとしてのLRRK2の可能性について」「甲状腺濾胞癌特異的バイオマーカーとしてのFAM19A2の可能性について」「甲状腺分化癌の診断バイオマーカーとしてのLRRK2の有用性について「と題し、学会にて報告および報告予定である。また論文を作成中である。
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