2021 Fiscal Year Annual Research Report
Th17細胞との相互作用は乳癌細胞に増殖シグナルを伝達するか?
Project/Area Number |
19K09065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10261629)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳癌 / IL-17 / CLEC2D / 腫瘍浸潤好中球 / トリプルネガティブ乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性度の高いトリプルネガティブ乳癌(TNBC)におけるInterleukin-17Aの臨床病理学的意義および生物学的機能について重点的に解析を進めた。 他施設共同研究を開始し、100例を超えるTNBCの臨床検体(生検検体)を用いてIL-17AおよびIL-17受容体(IL-17RAおよびIL-17RC)、好中球マーカー(CD66b)、好中球遊走因子CXCL1の免疫染色を施行した。IL-17A陽性細胞が多く浸潤している症例は再発率が高く予後不良であることが明らかとなり、TNBCにおけるIL-17シグナルの重要性が示唆された。また、IL-17AおよびCD66b、CXCL1の発現は強く正相関し、IL-17AによってCXCL1の発現が誘導されて好中球の浸潤が促進する可能性を見出すことができた。一方、IL-17受容体と臨床病理学的因子との間に有意な関連性は見られず、IL-17Aが直接的に乳癌細胞の増殖や浸潤、転移を誘導するわけではないように思われた。この結果は昨年行った細胞増殖試験および遊走能試験の結果に矛盾しないと思われる。 培養細胞を用いたIL-17AによるCXCL1の発現制御機構の詳細な検討を行った。MDA-MB-231およびHCC-38の2株において、IL-17AによるCXCL1 mRNAの発現誘導を確認することができた。中間経路を同定するために各種阻害剤の添加実験を行ったところ、Akt阻害剤によってCXCL1 mRNAの発現誘導が減弱することが分かり、IL-17AによるCXCL1の発現誘導はAktシグナルを介することが示唆された。現在、TNBCにおけるIL-17Aの役割について論文投稿準備中である。
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[Presentation] 乳癌におけるグルタチオン代謝の意義2021
Author(s)
原田 成美, 江幡 明子, 佐藤 未来, 進藤 晴彦, 多田 寛, 宮下 穰, 濱中 洋平, 佐藤 章子, 角掛 聡子, 本成 登貴和, 鈴木 貴, 石田 孝宣
Organizer
第29回日本乳癌学会総会
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[Presentation] 内分泌療法耐性乳癌における代謝の変化2021
Author(s)
進藤 晴彦, 原田 成美, 多田 寛, 宮下 穣, 濱中 洋平, 佐藤 章子, 江幡 明子, 本成 登貴和, 金井 綾子, 柳垣 美歌, 角掛 聡子, 鈴木 貴, 海野 倫明, 亀井 尚, 石田 孝宣
Organizer
第121回日本外科学会定期学術集会
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