2020 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーからみた腸管不全関連肝障害(IFALD)の病態解明とその制御
Project/Area Number |
19K09074
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松浦 俊治 九州大学, 大学病院, 准教授 (10532856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 智章 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 学長 (20197247)
吉丸 耕一朗 九州大学, 医学研究院, 講師 (60711190)
高橋 良彰 九州大学, 大学病院, その他 (50621710) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 短腸症 / オートファジー / 腸管関連肝不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
短腸症の生命予後を規定する病態として腸管不全関連肝障害(IFALD)が知られている。平成28年度厚生労働省科学研究 難治性疾患等政策研究事業「短腸症の重症度分類・集学的小腸リハビリテーション指針作成に関する研究」班(代表 松浦俊治)においてもIFALDが進行し肝硬変や肝不全に至り致命的となる症例が少なからず存在していることを明確に示してきた。オートファジーは低酸素、飢餓のストレス状態で活性化される細胞のリソソームをたんぱく分解の場とする非選択的・大規模な蛋白質の分解経路で、細胞内蛋白質やオルガネラの再編成を行い、エネルギーを産生するとともに細胞機能の恒常性維持を行う機構である。短腸症に伴う肝機能障害とその修復機能不全の解明において我々は、このオートファジー機構の解析に着目した。NASHなど類似の病態におけるオートファジーの関与が近年報告されてきていることから、短腸症におけるIFALDにおいても肝のオートファジー機構が病態の進行に深くかかわっている可能性が十分に考えられる。IFALDでの肝細胞障害とその修復機能不全におけるオートファジー役割について、肝組織中におけるオートファジー関連マーカーであるmicrotubule-associated protein light chain (LC3)、Beclin-1、LAMP1、p62などの異常蓄積の評価を免疫染色およびRT-PCRにて評価しオートファジーの関与について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の人員的問題やコロナ感染拡大に伴う研究室の運営上の問題もあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
肝細胞の再生修復機構に影響を及ぼす「細胞老化」に関与するIL-6, CCL2/MCP-1などの炎症性サイトカインや細胞老化の代表的なマーカーであるsenescence-associated β-galactosidase(SA-β-gal)の発現について評価しオートファジーとの関連性について検討する。また、IFALDにおけるオートファジー/細胞老化の制御の観点からみたIFALD発症予防・治療標的となり得るマスター因子を同定する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大に伴う研究室の運営に支障をきたし、実験計画が遅れているため。 使用計画:免疫染色、RT-PCRに関わる物品等
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