2021 Fiscal Year Research-status Report
Strategy for ischemic biliary injury after liver transplantation
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19K09096
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小川 晃平 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (10359789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 克考 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50790218)
本庄 真彦 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (90807926) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肝移植 / 血液型不適合 / 抗体関連拒絶 / 胆管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦では未だ脳死肝移植件数が少なく、末期肝不全患者の救命には生体肝移植に頼るところは大きい。 生体肝移植の際にはドナーが限定されることから血液型不適合移植の問題は避けられない。 血液型不適合肝移植の際には移植後早期に発症する抗体関連拒絶により、その移植成績は不良であったが、リツキシマブの登場により抗体関連拒絶による急性肝壊死でグラフトロスに陥る症例はほとんど見られなくなり、血液型不適合肝移植成績は飛躍的に向上した。一方で致死的な肝壊死には陥らないまでも、血液型不適合肝移植後に遅発性の胆管障害を来す症例にはしばしば遭遇し、長期におけるグラフトロスの原因となっている。その原因としては完全には抑制出来ていない肝内の微小循環障害が遷延することにより進行性の虚血性胆管障害が起こっているものと推測される。本研究はこの微小循環障害による虚血性胆管障害を来す動物モデルを作製し、その治療戦略を立てることを目的として開始した。 本研究はラット肝移植モデル(肝動脈再建モデル)において肝移植一定期間に肝動脈結紮を加えることにより遅発性の進行性巨声津生胆管障害を来すモデルを作成し、さらにそのモデルを用いて虚血性胆管障害を軽減させる薬剤等を模索し、その成果を前臨床段階として大動物(ブタ)を使って検討するところまで展開することを目標としていたが、コロナ禍での研究制限により進捗が遅れている。そのため研究期間の延長を申請した。 これまでの成果として、愛媛大学学術支援センターの動物実験センターにて大学院生2名がラット肝移植モデルの作成を行っているが、本研究に必要な動脈再建モデルにおいて安定して生存が得られるようになり、その次の段階である虚血性胆管障害モデルの作成を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍での研究制限によりラット肝移植における虚血性胆管障害モデルの作成に当初の予定より時間がかかった。動脈結紮のタイミングを変えることにより病理組織にて実臨床に近い胆管障害像が再現されることが確認されたため、現在、その次の段階である胆管障害を軽減させるための薬剤の至適投与量、効果について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
虚血胆管障害を軽減させる可能性のある薬剤として、まずは微小循環を改善させる可能性のあるプロスタグランジン製剤およびトロンボモジュリンを対象薬剤として検証する。この2剤に関して至適投与量について検討し、さらに一定期間後に犠死せしめて非投与群と肝の病理組織を比較検討することにより、その効果を検討する。
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Causes of Carryover |
実験の進捗が遅れており、引き続き継続して行うため次年度に持ち越した。
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