2021 Fiscal Year Annual Research Report
免疫チェックポイント阻害剤の汎用性向上の為の異所性リンパ濾胞誘導法の確立
Project/Area Number |
19K09110
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Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
五十嵐 友香 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 技師・研究員 (10531692)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腫瘍微小環境 / Hot tumor / 免疫チェックポイント阻害剤 / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年がん免疫療法は飛躍的に進歩し特にCAR-T療法や免疫チェックポイント阻害剤の利用による著しい治療効果は“がんは治る”と期待させてくれるものである。しかしこれらの目覚ましい治療効果は一部の患者、一部のがん種に限られているのも事実である。これらの治療を受けた患者やこれまでの治療法で著しい効果が見られた患者の詳細な解析が行なわれ、有効性評価のバイオマーカー探索が精力的に進められている。その結果これら新規の治療法や旧来の治療法で効果のある患者では腫瘍内に抗腫瘍効果を有するリンパ球浸潤が見られるhot tumorであることが一つの要因であることが明らかとなっている。実際CAR-T療法においてもCAR-T細胞そのものには素晴らしい抗腫瘍効果がみられるものの腫瘍内へ浸潤させる方法が律速となっていた。そこに着目し腫瘍内へ浸潤できるように遺伝子改変したCAR-T細胞が開発されるとそのCAR-T細胞は腫瘍へ浸潤するだけでなくホストのリンパ球の浸潤も促進し抗腫瘍効果を示すことが明らかとなっている。そこで我々はどのような因子(サイトカインやケモカイン他)が腫瘍へのリンパ球浸潤に必要であるのかを多種類のがん種評価し、さらにその因子を外来的に腫瘍へ導入することにより、人為的に効率よく腫瘍浸潤リンパ球を増やす方法を開発しがん免疫療法との併用療法を想定している。本研究では多種類のがん細胞を用いてマウス担がんモデルを作成し、各種腫瘍浸潤リンパ球誘導因子の機能解析と外来的投与方法を検討する。これにより有効ながん種と誘導因子の組み合わせを決めそれぞれの腫瘍への適切な因子の導入方法を臨床を想定して開発する。
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