2021 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法におけるドラッグデリバリーシステムの工夫
Project/Area Number |
19K09115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江本 成伸 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30803267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 聡一郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00376443)
田中 敏明 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (30647540) [Withdrawn]
畑 啓介 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (60526755) [Withdrawn]
野澤 宏彰 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80529173)
川合 一茂 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80571942)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腹膜播種 / 腹腔内化学療法 / ドラッグデリバリーシステム / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌腹膜播種マウスモデルにおいて、最終年度はCDDPをゲルに内包し、徐放させることで効果を高める試みを行った。しかし、薬剤による副作用と思われるマウス の死亡が比較的多く見られ、再現性のあるデータが得られなかった。研究全体を通して、大腸癌腹膜播種の動物モデルにおいて、抗がん剤の腹腔内投与はある程度有効である可能性が示唆された。ミセル化、ゲルによる徐放などの工夫を加えてさらに効果を高め、また毒性を軽減することを目的としたさまざまな実験系を試したが、再現性をもって統計的な有意差のある成果を得ることができなかった。実臨床において、腹膜播種治療は依然として困難を極めており、引き続き、基礎的なデータを集積する努力を続ける必要がある。ネガティブデータも今後の新たなドラッグデリバリーシステムを考案する上で参考にすべきものと考えられる。 腹膜播種治療における、抗がん剤の腹腔内投与は、現在複数の臨床試験が行われており、一定の成果が報告され始めている。さらに効果を増大し、かつ毒性を軽減するためのドラッグデリバリーシステムの構築は、腹膜播種患者のさらなる予後改善につながると考えられる。今回の研究で達成された、腹膜播種動物モデルの確立は今後の研究を進めていく上で、非常に意義のあることと考えられる。薬剤投与の方法のアイデアは無限であり、新しい様々なドラッグデリバリーシステムについて、医工連携を進めて引き続き研究していく必要がある。
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Research Products
(4 results)