2020 Fiscal Year Research-status Report
Rubiconを介した膵癌治療抵抗性のメカニズム解明と新規治療法の開発
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19K09121
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 邦仁 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10362716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 省吾 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30452436)
江口 英利 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90542118)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | autophagy / 膵癌 / Rubicon / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
内因性のオートファジー制御因子であるRubiconに着目し、術前加療後の膵癌症例におけるRubiconの発現の意義について検討した。 (方法)①当院において術前化学放射線療法後に根治切除を施行した膵癌症例84例を対象とし、抗Rubicon抗体を用いて切除標本の免疫組織化学染色を施行。Rubiconの発現強度で強発現群 (High群)と弱発現群 (Low群)の2群に分け、臨床病理学的因子および予後との相関を解析した。②また細胞実験において、膵癌細胞株であるMiaPaCa2を用いて、Rubiconの発現をWestern blot法にて確認した。さらにMiaPaCa2のGEM耐性株(MiaGR)を樹立し、Rubiconの発現についてMiaPaCa2と比較検討を行った。 (結果)①全症例の全生存期間(OS)および無再発生存期間(RFS)の中央値はそれぞれ2.19年および1.19年であった。免疫染色による評価では、Rubicon発現のHigh群は50例で、Low群は34例であった。2群間で臨床病理学的因子に有意差を認めなかった。OSの検討では、Rubicon発現のHigh群の方がLow群に比べて有意に短いという結果であった (中央値 2.02年 vs 2.77年; p = 0.038)。その他に単変量解析にて有意差を認める因子は認められなかった。RFSの検討では、Rubicon発現のHigh群の方がLow群に比べて有意に短いという結果であった(中央値 0.90年 vs 1.54年; p = 0.0079)。その他に単変量解析にて有意差を認める因子は認められなかった。②細胞実験において、膵癌細胞株のRubicon発現を確認したところ、MiaGRにおいてMiaPaCa2と比較し高い発現を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床サンプルを用いた解析はほぼ終了したが、細胞実験でやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞実験において、当科で所有している膵癌細胞株を用いてRubicon強制発現株およびRubiconノックダウン株を作成する。その後、抗癌剤暴露を行い、cell viabilityへの影響を検討する予定で ある。
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