Rubiconを介した膵癌治療抵抗性のメカニズム解明と新規治療法の開発

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K09121
• Research Institution: National Hospital Organization Osaka National Hospital Institute for Clinical Reserch
• Principal Investigator: 後藤 邦仁 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (10362716)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小林 省吾 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30452436) ; 江口 英利 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90542118)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: Rubicon / 膵癌 / autophagy / 抗がん剤 / Gemcitabine

Outline of Annual Research Achievements

内因性のオートファジー制御因子であるRubiconに着目し、膵癌治療におけるRubiconの発現の意義について検討した。
(方法/結果)膵癌細胞株(MiaPaCa-2：親株)および当科で樹立したGemcitabine(GEM)耐性膵癌細胞株(GR株)におけるRubiconの発現を確認したところ、Western Blotting、qRT-PCRのどちらにおいても、Rubiconの発現はGR株の方が親株よりも高い結果であった。GR株と親株のAutophagy Fluxを評価すると、GR株は親株よりAutophagy Fluxが低い結果であった。次にRubiconの発現が高いGR株でRubiconのノックダウンをおこなった。RubiconノックダウンGR株はAutophagy Fluxが上昇していた。浸潤能をInvasion assayで、増殖能をProliferation assay評価したところ、RubiconノックダウンGR株は浸潤能および増殖能の低下が認められた。またRubiconノックダウンGR株のGEM感受性の評価をMTT assayを用いておこなったが、RubiconノックダウンによるGEM感受性の変化は認めなかった。以上のことから、RubiconのGEM耐性のメカニズムへの関与は示唆されなかったが、浸潤能や増殖能といった悪性度への関与が示唆された。さらに、GR株が親株よりもRubiconが高い機序について検討し、GR株作成過程（GEM長期曝露）でのRubicon発現量の評価をおこなうと、GEM長期曝露によるRubicon発現の増加が認められた。

Research Products

• [Journal Article] ACAT-1-Regulated Cholesteryl Ester Accumulation Modulates Gemcitabine Resistance in Biliary Tract Cancer (2022)
  • Author(s): Ueno Goro、Iwagami Yoshifumi、Kobayashi Shogo、Mitsufuji Suguru、Yamada Daisaku、Tomimaru Yoshito、Akita Hirofumi、Asaoka Tadafumi、Noda Takehiro、Gotoh Kunihito、Mori Masaki、Doki Yuichiro、Eguchi Hidetoshi
  • Journal Title: Annals of Surgical Oncology Volume: 29 Pages: 2899～2909
  • DOI: 10.1245/s10434-021-11152-1
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Inhibition of Clusterin Represses Proliferation by Inducing Cellular Senescence in Pancreatic Cancer (2022)
  • Author(s): Mitsufuji Suguru、Iwagami Yoshifumi、Kobayashi Shogo、Sasaki Kazuki、Yamada Daisaku、Tomimaru Yoshito、Akita Hirofumi、Asaoka Tadafumi、Noda Takehiro、Gotoh Kunihito、Takahashi Hidenori、Tanemura Masahiro、Doki Yuichiro、Eguchi Hidetoshi
  • Journal Title: Annals of Surgical Oncology Volume: － Pages: －
  • DOI: 10.1245/s10434-022-11668-0
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Clinicopathological significance of <scp>MYL9</scp> expression in pancreatic ductal adenocarcinoma (2021)
  • Author(s): Matsushita Katsunori、Kobayashi Shogo、Akita Hirofumi、Konno Masamitsu、Asai Ayumu、Noda Takehiro、Iwagami Yoshifumi、Asaoka Tadafumi、Gotoh Kunihito、Mori Masaki、Doki Yuichiro、Eguchi Hidetoshi、Ishii Hideshi
  • Journal Title: Cancer Reports Volume: － Pages: －
  • DOI: 10.1002/cnr2.1582
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Journal Article] Inhibition of c-MET reverses radiation-induced malignant potential in pancreatic cancer (2021)
  • Author(s): Mori Soichiro、Akita Hirofumi、Kobayashi Shogo、Iwagami Yoshifumi、Yamada Daisaku、Tomimaru Yoshito、Noda Takehiro、Gotoh Kunihito、Takeda Yutaka、Tanemura Masahiro、Doki Yuichiro、Eguchi Hidetoshi
  • Journal Title: Cancer Letters Volume: 512 Pages: 51～59
  • DOI: 10.1016/j.canlet.2021.04.029
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 高齢者膵癌に対する外科的治療の安全性に関する検討 (2022)
  • Author(s): 後藤 邦仁, 酒井 健司, 俊山 礼志, 柳澤 公紀, 三代 雅明, 高橋 佑典, 浜川 卓也, 土井 貴司, 竹野 淳, 加藤 健志, 高見 康二, 平尾 素宏
  • Organizer: 第122回 日本外科学会定期学術集会
• [Presentation] 術前化学放射線療法後の膵癌症例におけるRubicon発現の臨床的意義の検討 (2022)
  • Author(s): 丸川 大輝, 後藤 邦仁, 小林 省吾, 佐々木一樹, 岩上 佳史, 山田 大作, 富丸 慶人, 野田 剛広, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第122回 日本外科学会定期学術集会
• [Presentation] 術前加療後膵癌におけるRubicon発現の臨床的意義の検討 (2021)
  • Author(s): 丸川 大輝, 後藤 邦仁, 小林 省吾, 岩上 佳史, 山田 大作, 富丸 慶人, 秋田 裕史, 野田 剛広, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第76回 日本消化器外科学会総会
• [Presentation] Gemcitabine耐性膵癌に対する新規サリドマイド誘導体投与の有用性の検討 (2021)
  • Author(s): 西 秀美, 後藤 邦仁, 小林 省吾, 岩上 佳史, 山田 大作, 富丸 慶人, 秋田 裕史, 野田 剛広, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第76回 日本消化器外科学会総会
• [Presentation] 浸潤性膵管癌患者における骨格筋量が、術前化学療法の病理学的治療効果に与える影響 (2021)
  • Author(s): 杉本 智樹, 岩上 佳史, 小林 省吾, 山田 大作, 富丸 慶人, 秋田 裕史, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第76回 日本消化器外科学会総会
• [Presentation] 膵癌細胞株の増殖に対して癌関連線維芽細胞の老化現象が関与するかの検討 (2021)
  • Author(s): 膵癌細胞株の増殖に対して癌関連線維芽細胞の老化現象が関与するかの検討 村上 弘大, 秋田 裕史, 小林 省吾, 岩上 佳史, 山田 大作, 富丸 慶人, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第76回 日本消化器外科学会総会
• [Presentation] 膵癌補助化学療法の個別化を目指した新たなバイオマーカーの検索 (2021)
  • Author(s): 竹田 佑, 山田 大作, 小林 省吾, 岩上 佳史, 富丸 慶人, 秋田 裕史, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第76回 日本消化器外科学会総会
• [Presentation] 膵癌に対する新規サリドマイド誘導体投与の有用性の検討 (2021)
  • Author(s): 西 秀美, 後藤 邦仁, 小林 省吾, 岩上 佳史, 山田 大作, 富丸 慶人, 秋田 裕史, 野田 剛広, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第121回 日本外科学会定期学術集会
• [Presentation] 膵癌集学的治療の個別化を目指した血中microRNA遺伝子の検討 (2021)
  • Author(s): 竹田 佑, 山田 大作, 小林 省吾, 岩上 佳史, 富丸 慶人, 秋田 裕史, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第121回 日本外科学会定期学術集会
• [Presentation] 膵癌術前化学療法施行例における効果予測、予後予測マーカーとしてのPET-CT有用性の検討 (2021)
  • Author(s): 村上 弘大, 秋田 裕史, 小林 省吾, 岩上 佳史, 山田 大作, 富丸 慶人, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 佐藤 太郎, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第121回 日本外科学会定期学術集会
• [Presentation] 膵癌における術前治療の術後補助療法に与える影響の検討 (2021)
  • Author(s): 藤井 純一, 秋田 裕史, 小林 省吾, 岩上 佳史, 山田 大作, 富丸 慶人, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第121回 日本外科学会定期学術集会
• [Presentation] ACAT1に制御されるコレステロールエステルの蓄積は胆道がんのゲムシタビン耐性を調整する (2021)
  • Author(s): 岩上 佳史, 植野 吾郎, 小林 省吾, 佐々木 一樹, 山田 大作, 富丸 慶人, 秋田 裕史, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 高橋 秀典, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第58回 日本外科代謝栄養学会
• [Presentation] Clusterin発現抑制は細胞老化を介して膵がん細胞の増殖を抑制する (2021)
  • Author(s): 光藤 傑, 岩上 佳史, 小林 省吾, 佐々木 一樹, 山田 大作, 富丸 慶人, 秋田 裕史, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 高橋 秀典, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第80回 日本癌学会総会
• [Presentation] 膵癌切除例におけるS-1単独による術後補助化学療法の実施期間と予後についての検討 (2021)
  • Author(s): 遠矢 圭介, 富丸 慶人, 小林 省吾, 秋田 裕史, 佐々木 一樹, 岩上 佳史, 山田 大作, 野田 剛広, 後藤 邦仁, 土岐 祐一郎, 江口 英利
  • Organizer: 第59回 日本癌治療学会学術集会