2020 Fiscal Year Research-status Report
Identification and clinical application of the colon cancer-specific protein markers
Project/Area Number |
19K09123
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡部 祐司 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (20210958)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 大腸がん / がんマーカー / KLHL5 / CUL3型ユビキチンリガーゼ / 定量質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
KLHL5は大腸がんの細胞増殖・分裂、細胞伸展・浸潤を正に制御し、悪性化を誘導する因子として機能しうること、悪性化に伴い発現量が大きく増幅することから、大腸がん細胞のタンパク質代謝系を大きく変動させると予測される。2019年度にはCUL3-KLHL5軸の基質候補分子を約90種に絞り込み、質量分析による定量解析に向けてこれら基質候補タンパク質のリコンビナントタンパク質を作製し、トリプシン分解、質量分析を行うことにより、約90種についてプロテオテイピックペプチド(Proteotypic peptide : PTP)を同定した。2020年度はこの情報を基に、約150種のPTPをタンデムに配列させた人工タンパク質をコードするcDNAをデザインし、人工合成した。これをもとに、小麦胚芽無細胞タンパク質合成法を用いてHisタグKLHL5-基質人工タンパク質QconCATを翻訳合成した。これをキレートカラムにより分離・精製した。精製KLHL5-基質人工タンパク質QconCATをトリプシン分解、質量分析を行うことにより、各PTPの検出を再検証した。その結果、予想以上に検出できないPTPが多数存在した。これは、KLHL5-基質人工タンパク質QconCATのトリプシン分解効率が低い結果と判断されたことから、PTP配列を組み替えること、PTP間にスペーサー配列を導入することで対応し、KLHL5-基質人工タンパク質#2QconCATのデザインを行なった。同様にKLHL5-基質人工タンパク質#2をコードするcDNAをデザインし、人工合成後、これをもとに、小麦胚芽無細胞タンパク質合成法を用いてHisタグKLHL5-基質人工タンパク質#2QconCATを翻訳合成した。現在、得られたKLHL5-基質人工タンパク質#2QconCATを用いて、各PTPの検出を再検証しているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りである。
|
Strategy for Future Research Activity |
KLHL5の全基質候補タンパク質の定量用標準KLHL5-基質人工タンパク質#2QconCATを安定同位体標識人工タンパク質としてまず合成する。これ内部標準として用いることで、複数の大腸がん細胞株の可溶性分画を試料としたSelective Reaction Monitoring (SRM)分析法により定量を試み、その精度を検討する。最終的には、ヒト大腸がん組織を用いた定量解析に応用することで、新規大腸がんマーカーの探索・同定を行う。
|
Causes of Carryover |
コロナの影響で、実験の進捗が遅れ、使用額の減少となった。次年度に有効利用を予定している。
|