2021 Fiscal Year Annual Research Report
Helicobacter pylori免疫応答が胃癌術後補助化学療法に及ぼす影響
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19K09130
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
肥田 圭介 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10285596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西塚 哲 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 特任教授 (50453311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胃がん / PD-L1 / Helicobacter Pylori / 免疫応答 / 補助化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道・東北地区の12施設で2009年までに胃切除を施行された(Northern Japan Gastric Cancer Consortium)全658症例について組織マイクロアレイを作製し, HPの感染状態の解析を行った. HPの判定が可能であった491症例を解析の対象とした. 胃癌細胞の免疫回避の指標である Programmed cell death ligand 1(PD-L1)の発現およびCD4とCD8陽性Tリンパ球数を免疫組織学的および分子生物学的手法により可視化し半定量的に判定を行った. 無再発生存期間での検討ではS-1 doseとPD-L1において交互作用が認められた.PD-L1+ではHP+/ HP-の5年生存率には差がなかったが, PD-L1-ではHP+がHP-に対して有意に高い5年生存率を示した. PD-L1-/ HP+の5年生存率は80.6%と PD-L1-/ HP-の5年生存率67.9%(P=0.0011; HR 0.477)よりも高値であった. PD-L1-/Surgery+S-1/HP-;の5年生存率は 82.3%でPD-L1-/Surgery+S-1/HP-の5年生存率55.3%(P=0.0008; HR 0.304)よりも高値であった.さらにPD-L1-/S-1 reduced/HP-の 5年生存率は 86.2% とPD-L1-/S-1 reduced/HP-の5年生存率46.4% (P=0.0014; HR 0.205)よりも高値であった. Cox比例ハザード回帰モデル解析の結果、全生存率および無再発生存率に対する独立因子としてpStageおよび HP*PD-L1が同定された 免疫逃避機構が働いていない進行胃癌患者がS-1術後化学療法を行った場合, HPの既感染による宿主免疫の活性化が生存率改善に寄与している可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)