2019 Fiscal Year Research-status Report
The impact of surfactant protein d on pulmonary metastasis of colorectal cancer
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19K09132
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鶴田 雅士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00348666)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 転移性肺癌 / 肺サーファクタント蛋白d / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大腸癌肺転移の発生および進展における肺内環境、中でも肺サーファクタント蛋白d (SP-D)の影響を明らかにすることを目的にしている。 まずは、マウス大腸癌培養細胞にSP-Dを暴露させ、その細胞増殖、浸潤能への影響を検討した。検討に先立ち、既報にある肺腺癌細胞での研究結果において、EGFRの発現がSP-Dの関与に重要であるとの報告があることから、EGFRの発現が高い細胞を検討した。その結果、マウス大腸癌細胞株であるCMT-93はEGFR高発現株であることがPCRおよびウェスタンブロット法により確認された。 次に、このCMT-93にSP-D蛋白を暴露させて、その細胞悪性度の変化を調べた。まずスクラッチアッセイにより細胞の遊走能を調べるとSP-D暴露により、有意に抑制されることが明らかとなった(p=0.009)。さらに細胞浸潤能をinvasion assayにより調べると、これも有意に抑制されることが明らかとなった(p=0.009)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験を行うまえに、まずは使用するマウス大腸癌細胞株CMT-93がEGFRの発現があり、さらにSP-D蛋白によってその悪性度が抑えられることが確認できた。つまり、この培養細胞が今後研究を進めることができる適切な細胞であるということで、今後の動物実験の準備を加速させることができるものと思われる。細胞の選定が重要であると考えていたので、この部分がクリアできたことは非常に順調に研究が進んでいると感じられる証拠である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、選定されたマウス大腸がん細胞株CMT-93を用いて動物実験を進める。大腸癌肺転移モデルについてはすでに確立した実験方法を保有しているので、今後SP-Dノックアウトマウスでは、肺転移の発生、進展がコントロールマウスに比べてどのように変化するのかを調べる。また、並行してこのCM-93をコントロールマウスに尾静脈注射して作成した肺転移巣よりsingle cell separationし、より肺転移を起こしやすい好肺転移細胞株を作成し、この細胞のSP-D感受性を確認する。今後、さらにEGFR下流の遺伝子の変化についても確認を行う。
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