2019 Fiscal Year Research-status Report
Biological role of metadherin in liver metastases of colon cancer and development of novel molecular target therapy
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19K09134
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
清水 宏明 帝京大学, 医学部, 教授 (80272318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸田 圭史 帝京大学, 医学部, 教授 (50260477)
山崎 一人 帝京大学, 医学部, 教授 (60302519)
小杉 千弘 帝京大学, 医学部, 講師 (60375681)
細川 勇 帝京大学, 医学部, 助教 (60623676)
首藤 潔彦 帝京大学, 医学部, 准教授 (90372359)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / メタドへリン / 上皮間葉転移 / 間葉上皮転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、癌転移制御のkey molecule としてメタドヘリン(MTDH)に注目し、大腸癌細胞を用いてin vitro でのMTDH機能解析として、EMT-MET plasticityの観点からphenotypic switchへの関連、stemness, anoikis resistance について評価。さらに、臨床的検討として、当院で外科切除された大腸癌原発巣の切除標本を用いてMTDH発現の臨床病理学的特徴と肝転移症例では原発巣、肝転移巣におけるMTDH発現を比較検討するととともにEMT /MET markerとの関係を解析する。初年度(2019年度)は、まず、当科における進行大腸癌切除症例の大腸癌原発巣のサンプルを用いて大腸癌部、肝転移巣における以下の如くの免疫組織化学染色を行った。EMT・METの双方に関与し転移を促進すると報告されているMTDH、EMTマーカーであるSnail1、および上皮系細胞マーカーであるE-cadherin、間葉系細胞マーカーであるVimentin、N-cadherinの発現を評価し、同時性肝転移を有する症例(n=15)と有さない症例(n=15)との間でこれらマーカーの発現強度を比較した。その結果、MTDHは両群とも原発巣で強く発現しており、同時性肝転移を有する症例ではさらに原発巣のSnail1発現強度が高いことを見出した。なお、E-cadherin、Vimentin、N-cadherinの発現は両群間で有意な差を認めていない。次に、同時性肝転移を有する症例のうち、原発巣および肝転移巣の双方を切除した症例(n=15) を対象とし、原発および転移巣のMTDH発現強度を比較検討した。その結果、肝転移巣におけるMTDHの発現強度が原発巣よりも強いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、臨床的検討として、当院で外科切除された大腸癌原発巣の切除標本を用いてMTDH発現の臨床病理学的特徴と肝転移症例では原発巣、肝転移巣におけるMTDH発現を比較検討するととともにEMT /MET markerとの関係を解析した。免疫染色の結果から、大腸癌肝転移形成のプロセスにおいて、原発巣におけるEMT機構が亢進し、また肝転移巣形成にはMET機構が関与していることが強く推察された。この臨床的検討の結果は、今後のin vitro でのMTDH機能解析の方向性を与える結果と考えている。実験の新着状況としては、想定よりやや遅れていると考えるが、免疫染色の条件を設定するのにやや時間がかかってしまったことによると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、臨床的検討として、当院で外科切除された大腸癌原発巣の切除標本を用いてMTDH発現の臨床病理学的特徴と肝転移症例では原発巣、肝転移巣におけるMTDH発現の結果を注意深く、解析し、その結果をまとめ、まず、この段階で学会報告するとともに、論文として発信したいと考えている。さらに、同時に in vitroの実験を進めていきたい。大腸癌細胞株を用いて、癌細胞の悪性度の指標となる増殖、遊走、浸潤能EMT、MET がMDHの発現をmodulateすること(siRNA/shRNAによりMTDHの発現を抑制した細胞を用いる)でどのように変化するかを検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度、実支出額1,616,031円で予定の1,690,000円と73,969円の残金額がでたが、次年度に繰り越しいただき、物品費に加えて使用したいと考えている。
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Research Products
(3 results)