2019 Fiscal Year Research-status Report
血液循環癌幹細胞の免疫応答回避制御による新たな膵癌治療法の確立
Project/Area Number |
19K09139
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉岡 伊作 富山大学, 学術研究部医学系, 特命講師 (30436430)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 知之 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (10533523)
藤井 努 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60566967)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 膵癌 / 血液循環癌幹細胞 / 免疫応答回避機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
浸潤性膵管癌切除標本を用いた癌幹細胞の同定・分離を行うために組織を採取し、培養による癌細胞の形質変化を最小限にとどめるために無血清培地を用いた培養細胞の樹立を行った。これら切除検体から複数個の培養細胞を樹立した。今後免疫不全マウス皮下移植を用いて細胞採取を行い低親和性神経成長因子受容体(p75NTR、CD271)とDVA選択的染色試薬を組み合わせてp75NTR陽性/G0G1細胞をセルソーターを用いて分離し静止期癌幹細胞を同定する予定。 また術前の抹消血液を採取しフローサイトメトリーによってp75NTRの発現を検出するべく、癌細胞の検出精度を確認するべく予備実験を施行中である。特にEGFRやPLS3などEMTによって変化しない上皮系マーカーEpCAMに置き換えた検出を同時に行い症例の臨床病理学的因子との相関を行う。今後セルソーターを用いて標的細胞を分離し幹細胞関連分子、上皮間葉転換関連分子、薬剤耐性分子の発現をRT-PCRおよび免疫細胞染色にて検出し癌幹細胞形質を検証する。 切除標本採取症例について抹消血液からポリマーマイクロ液体チップおよびCTC補足システムを用いて前述の癌幹細胞マーカー発現細胞の補足を行うべく、トリプシンやパパインなどを用いた抗体の切断や細胞生物学的解析を目的に半固定コロイドを用いて生細胞を回収するなど精度向上および効率的な細胞回収に向けた改良を行っている。微小流路デバイスを用いたCTSC検出・分離とフローサイトメトリーを用いた検出・分離とをその精度、汎用性を比較する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
癌細胞の切除検体からの培養については複数個の樹立が進んでいる。フローサイトメトリーではp75NTRの発現検出精度が不十分であり、精度を高めていく予定である。またマイクロ流体チップにより癌幹細胞マーカー発現細胞の補足でもその精度向上、改良に取り組んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
フローサイトメトリーの発現検出精度を高めるよう、またマイクロ流体チップの癌幹細胞マーカー発現細胞補足の精度向上、改良に取り組む予定である。これらから静止期癌肝細胞およびCTSCを同定分離し癌幹細胞特異的T細胞を採取することで特異的抗体遺伝子およびTCR遺伝子を取得する。
|
Causes of Carryover |
抗体試薬や細胞培養関連試薬で余りが生じたために次年度使用金額が生じた。次年度にこれらに対して使用する予定。
|