2019 Fiscal Year Research-status Report
NASH肝癌発生過程を血液と肝臓プロテオームから解き明かす~ブタからヒトへ~
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19K09144
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
井口 公太 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 研究員 (40771118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
池川 雅哉 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60381943)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NASH肝癌マーカー / ショットガンプロテオミクス / イメージング質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
①NASH関連肝癌のブタモデルを作成した。 これまでブタを利用したNASH関連肝癌モデルに報告はなかった。富士マイクラ株式会社(静岡)より購入した雄性マイクロミニブタを使用し、独自にデザインしたフルクトース・コール酸・コレステロールを含む高脂肪食をリサーチダイエット社(NJ, USA)に作成依頼、60週間給餌、12週目より2週毎にdiethylnitrosamineを腹腔内投与することにより、60週目に単純脂肪肝→NASH→肝癌を発症する経時的動物モデルを完成した。 ②本モデルの肝臓を使用し、プロテオミクス解析を行った。 正常肝とNASH関連肝癌の肝薄切切片(10μm厚)を作成し、rapifleX (Bruker, 横浜)によるイメージング質量分析をタンパク質レベルにて実施した。結果、260個のpeakを両切片合わせて検出した。検出したspectraのclustering解析を実施した結果、正常肝と脂肪肝、癌内部でのheterogeneityを反映するようなspatial segmentationが可能であった。それらを特徴付けるpeakをROC解析で抽出した。一方、先にイメージング質量分析に供した切片の連続切片をon-tissue trypsinizationし、timsTOF Pro(Bruker)によるshotgun proteomicsを行った。正常肝の切片からは222個のタンパク質が同定され、NASH関連肝癌の切片からは194個のタンパク質が同定された。癌特異的にのみ同定されたタンパク質は74個同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験系に沿った解析を順調に実施出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
イメージング質量分析により得られた空間情報とショットガン解析にて得られたタンパクIDを照らし合わせ、癌特異的な興味深いマーカー抽出を試みる。
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Causes of Carryover |
プロテオミクス解析にかかる解析費用が予定よりも安く実施可能であった。本結果を下に2年次は解析に供する回数あるいは切片の枚数を増やす等にて実験の精度を挙げることが可能である。
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