2019 Fiscal Year Research-status Report
癌幹細胞の観点から見た肝癌におけるゲノム不均一性の解明
Project/Area Number |
19K09145
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 隆道 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70456789)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 隆之 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00813867)
小木曾 聡 京都大学, 医学研究科, 助教 (10804734)
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
福光 剣 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70700516)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 肝癌 / ゲノム / ゲノムシークエンス / 混合型肝癌 / 胆管癌 / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,肝癌において見られる腫瘍間不均一性および腫瘍内不均一性のメカニズ ムをゲノム変異の観点から解明することを目的としている.対象とする肝癌は癌幹細胞との関連が示唆されている2種類の肝癌で,1. 肝細胞癌の中で胆管や完全区細胞のマーカーであるサイトケラチン19 (K19)を発現しているK19陽性肝細胞癌と,2. 混合型肝癌である. 本年度は,当科で切除されたK19陽性肝細胞癌及び混合型肝癌を検討し,その臨床病理学的背景や予後とも紐づけられた詳細なデータベースを作成した.K19陽性肝細胞癌については免疫染色での結果が得られていない症例も多かったため,改めて免疫染色を行った. その結果,K19陽性肝細胞癌は肝切除例及び肝移植症例ともに全肝細胞癌中約10%に認められた.また混合型肝癌は稀な症例であるが,当科で肝切除した症例の中で,21患者24結節で混合型肝癌と病理診断されていた. 当科で保管している凍結サンプルや病理診断科で保管しているホルマリン固定サンプルとも突合し,ゲノムDNA採取を行うために良好なサンプルが得られている症例を選別した.K19陽性肝細胞癌及びK19陰性肝細胞癌症例で典型的なK19免疫染色パターンを示す症例を選別し,ゲノムDNAを中止ちゅしている.また混合型肝癌症例からもゲノムDNAを抽出し,一部をエクソンシークエンスを行いシークエンスデータを得ている.途中結果ではあるが,得られたシークエンスデータをスーパーコンピュータを用いて解析を行いつつある.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り概ね順調に研究は進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
1. K19 陽性肝細胞癌と K19 陰性肝細胞癌の腫瘍部分と非腫瘍部分とから DNA を抽出しエクソンシークエンスを行う.K19 陽性肝細胞癌に特徴的なゲノム変異や腫瘍の生物学的悪性度に直接関わるようなゲ ノム変異の探索を試みる. 2. 混合型肝癌の腫瘍部分と非腫瘍部分とから DNA を抽出しエクソンシークエンスを行う.混合型肝癌に特徴的なゲノム変異や腫瘍の生物学的悪性度に直接関わるようなゲ ノム変異の探索を試みる.またエクソンシークエンスである程度結果が得られれば,全ゲノムシークエンスも行い,更なるゲノム変異の探索を試みる.
|
Research Products
(5 results)