2020 Fiscal Year Research-status Report
A novel cancer immunotherapy focused on organ specific immune memory generation
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19K09147
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 茂亮 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (30582209)
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
眞庭 謙昌 神戸大学, 医学研究科, 教授 (50362778)
掛地 吉弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)
高村 史記 近畿大学, 医学部, 講師 (90528564)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CD8+T細胞 / NKT細胞 / インフルエンザワクチン / レジデントメモリ-T細胞 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 大腸癌 / 肺転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、皮下接種型腫瘍に対し著効するNKT細胞ワクチンベクター免疫療法に抵抗性を示す難治性転移性肺腫瘍に対し、レジデントメモリー T細胞の誘導環境を利用して有効な腫瘍反応性T細胞を成立させ、肺の臓器全体の転移制御を行う新規癌免疫療法のモデルを確立することが目的である。この際に機能する、レジデントメモリー様腫瘍浸潤T細胞の誘導機構を明らかにし、臓器別に制御する免疫療法の開発に応用する。肺転移に対して、NKT細胞ワクチンベクターにより肺メモリーT細胞を形成させることは、可能であるが、これには治療抵抗性を示す為に、これに関連した、ウイルスおよびワクチンを用いた感染モデルを併用(NKT細胞腫瘍ワクチンベクターと感染ワクチンの併用)することにより、治療効果の高いレジデントメモリー様腫瘍浸潤T細胞へと分化、誘導させ、治療モデルを開発すると言うコンセプトで行うものある。レジデントメモリー様腫瘍浸潤T細胞は強力なエフェクター機能と免疫チェックポイント阻害剤に高反応性であることが示されており、治療上重要であり、薬剤による介入の可能性を高めるものである。この治療開発においては、重要な点は次の2点である。まず、我々の開発したワクチンベクター作製の安定的な供給である。大量の培養樹状細胞にモデル抗原タンパクを導入するので、安定した作成方法の確立が必要である。また、レジデントメモリー様腫瘍浸潤T細胞の誘導条件をこのモデル及びヒトの切除標本を用いて、明らかにすることが必要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺レジデントメモリーT細胞誘導可能環境(インフルエンザウイルス感染併用)での、樹状細胞にOVA蛋白を導入し、α-galactosylceramideを付加したNKT活性化ワクチンベクターであるDC/Gal-OVAを用いた肺転移モデルに対する治療効果の検証を行なっている。DC/Gal-OVA単独群での治療効果は転移性肺腫瘍の治療モデルでの確認を行なっており、肺組織及び、気管支肺胞洗浄液BALでの特異的T細胞の検出が可能となった。ワクチンベクターの精度管理上の問題で、培養後の分化度及び細胞の生存について検証し、培養条件と期間が重要であることが確認された。インフルエンザウイルスワクチン併用モデルの検証に関する実験計画の現在、申請準備中である。 皮下接種治療後のT細胞の機能解析を行う点では、皮下接種型腫瘍での有効な皮膚レジデントメモリー及びTILの解析方法を確立し、解析を行っている。表皮と真皮に存在するレジデントメモリーT細胞及び、機能的解析として、細胞周期の評価、増殖能を検討している。 ヒト大腸癌の原発巣・転移巣切除標本のRM-like TIL及びNKT細胞の組織学的解析を行っている。ヒト大腸癌の原発巣と転移巣の切除標本のRM-like TILの検出方法として、CD103+CD8+の二重染色を行い、両陽性細胞を検出することが可能となった。現在は、染色は終了し、スライド全体の評価として、検出及び評価の方法を深層学習アルゴリズムとして、症例解析とバイオマーカーとしての意義を検証している
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染による制限により、円滑に研究を進めることが困難となっており、新たな感染関連実験に対するハードルが高く、インフルエンザワクチンに関しては、分担研究者施設にて行う方針に変更した。 また、感染実験に必要ののない、インフルエンザワクチンにてのアジュバント効果を検証している。 大腸癌肺転移例に関しては深層学習プログラムを導入した解析をすすめる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が無いため、記入しない。
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