2020 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌のゲノム・エピゲノム異常による短縮型癌関連糖鎖誘導と免疫抑制機構の解明
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19K09151
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岡山 洋和 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20583397)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究者らは近年、大腸癌・大腸腺腫の網羅的遺伝子発現解析およびタンパク解析などから、ミスマッチ修復欠損(dMMR)/マイクロサテライト不安定性の高い(MSI-H)大腸癌(dMMR/MSI-H大腸癌)の発癌過程において、特定の糖転移酵素遺伝子がメチル化により発現抑制されること、それらが予後不良に関連するという新規知見を得た。またその結果、短縮型癌関連糖鎖の高発現が誘導されることを各種in vitro解析により確認している。 本研究課題は、大規模症例を用いたゲノム医学・マルチオミクスと糖鎖生物学・分子生物学的手法の統合的解析により、癌細胞上の短縮型糖鎖抗原誘導のメカニズムと、免疫抑制的微小環境に与える影響を検討し、バイオマーカーおよび治療標的としての可能性に迫るものである。 大腸癌における癌関連短縮型糖鎖抗原および関連する糖転移酵素を研究の軸とし、ゲノム・エピゲノム異常を介した短縮型糖鎖抗原誘導機構の解明、さらにそれ を背景とした免疫学的微小環境(免疫細胞浸潤、免疫逃避)への影響などを、大腸癌組織の免疫組織学的染色を入り口として各種検討を行っている。特にO型糖鎖構造のコアとなるTn抗原に着目し検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特定の短縮型糖鎖構造に着目した免疫組織学的検討により、糖鎖と免疫抑制の関連について臨床的側面から検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸癌組織と臨床情報の集積を進め、免疫染色を拡大する。ゲノムデータとの関連付け、機能的意義、免疫学的微小環境の制御機構への展開など種々の解析プラットフォームを活用した研究を予定している。
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Causes of Carryover |
本研究テーマは当研究室で以前から取り組んでいたものに関連しており、抗体などの一般試薬、消耗品や臨床検体がある程度研究室内に揃っており、本研究の予備実験段階においては新規の購入に対する物品費が生じにくかったことなどから次年度使用額が生じた。次年度使用額は細胞実験などの各種物品・消耗品費に充当する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 大腸癌におけるTn 抗原の発現2020
Author(s)
松本拓朗, 岡山洋和, 加瀬晃志, 仲野宏, 遠藤英成, 伊藤美郷, 山田玲央, 小野澤寿志, 藤田正太郎, 坂本渉, 齋藤元伸, 三村耕作, 佐瀬善一郎, 門馬智之, 河野浩二.
Organizer
第58回日本癌治療学会学術集会
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[Presentation] dMMR大腸癌におけるTn抗原の発現2020
Author(s)
松本拓朗, 岡山洋和, 仲野宏, 遠藤英成, 山田玲央, 中嶋正太郎, 齋藤元伸, 佐瀬善一郎, 門馬智之, 三村耕作, 河野浩二
Organizer
第33回日本バイオセラピィ学会学術集会総会
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