2021 Fiscal Year Annual Research Report
非EBV非MSI-high食道胃接合部腺癌の免疫回避機構解明と新規免疫治療の開発
| Project/Area Number |
19K09161
|
|---|
| Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
|---|
Principal Investigator |
井田 智 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (80583038)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 学 公益財団法人がん研究会, 有明病院 病理部, 医員 (00750366)
森 誠一 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター 次世代がん研究シーズ育成プロジェクト, プロジェクトリーダー (10334814)
今村 裕 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 医長 (70583045)
渡邊 雅之 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 部長 (80254639)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 食道胃接合部腺癌 / 免疫チェックポイント / 網羅的解析 / 免疫回避機構 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
食道胃接合部腺癌では4つのMolecular subtype分類が提唱されている[①Epstein-Barr virus(EBV)関連、②Microsatellite instability(MSI)-high、③Genomically stable (GS)、④Chromosomal instability(CIN)]。①および②ではPD-1/PD-L1を介した免疫回避機構が解明されその治療法が確立されたが、③および④（以下、非EBV非MSI-high腫瘍）においては明らかではない。
本研究では腫瘍免疫微小環境と腫瘍細胞の遺伝子変化の解析を詳細に行い、非EBV非MSI-highの食道胃接合部腺癌の主要な免疫回避機構を解明し、新たな免疫治療法の開発を目的とする。
まず非EBV非MSI-highの症例を対象に、連続切片を作成してPD-L1、CD8、FOXP3の免疫染色を行った。CD8およびFOXP3陽性細胞数をカウントし、臨床データとどのように相関するか検討を行った。病理組織学的にdiffuse型とintestinal型に分けて、腫瘍内および腫瘍周囲のFOXP3/CD8比の予後に及ぼす効果を検討したところ、diffuse型かつpSt I-IIIの症例では、腫瘍周囲のFOXP3/CD8比高値群（中央値で二分、N=23）が低値群（N=34）に比して有意に予後不良であることが判明した。
最終年度ではメチル化解析を行い、上記FOXP3/CD8比高値群23症例では、RUNX3が高メチル化していることが判明した。さらにTCGAパブリックデータベースでRUNX3メチル化異常を伴うdiffuse型腫瘍細胞におけるケモカイン関連遺伝子発現状況を検索したところ、CCL28高発現がFOXP3/CD8比の上昇と相関傾向にあることが判明した。
|
Research Products
(10 results)
