2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規NASH肝発癌モデルマウスを用いた発癌メカニズム解析及び新規治療薬の開発
Project/Area Number |
19K09162
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大河内 信弘 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (40213673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 孝史 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (20633192) [Withdrawn]
高橋 一広 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80794528)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NASH肝発癌 / Src / ヒアルロン酸 / SGLT-2 / 腫瘍最大径 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究室で作成したNASHモデルマウスのプロトコールを改変し、NASHを背景に肝臓に発がんするモデルマウスを作成した。腫瘍部分の免疫染色(CD34, glypican-3, AFP染色)により早期の肝細胞癌であることを確認した。腫瘍組織のwestern blotによる解析では、Erk、cyclin D1、p38 MAPKの変化があった。ヒト肝細胞癌で同様の変化が報告されており、類似した機序での発癌が示唆された。 本研究の目的は、発癌のメカニズムを解析し、新たな治療法を探索することにある。プロトコールは、NASH肝発癌モデル動物作成時に同時に薬剤を投与し続けることとした。薬剤は、耐糖能異常が発癌を誘導すると考え、SGLT-2とヒアルロン酸を用いた。 肝発癌のメカニズムは、HCCに関連する遺伝子群、NAFLDに関連する遺伝子群、発癌に関連する遺伝子群の発現変化が認められた。癌原遺伝子の1つであるSrcはqPCRでも発現上昇を認めた。ヒト肝癌において認められる遺伝子変動であり、SrcがNASH肝発癌の一因となっている可能性が示唆された。 24週時点における肝臓の病理学的な評価で、全群でHE染色、Masson Trichrome染色、Oil-red-O染色でNASH診断の所見が確認された。また、病理評価をImage Jを用いて定量評価したが、薬剤投与モデルに病理所見の改善は認められなかった。ヒアルロン酸投与モデルでは、肝体重比、脂肪体重比、腫瘍個数に有意差はなかった。腫瘍最大径が低い傾向にあったが、有意差は認めなかった(p=0.085)。空腹時血糖は有意に低下が認められた。SGLT-2投与モデルでは、脂肪体重比、腫瘍個数、腫瘍最大径に有意差はなかった。肝体重比と空腹時血糖は有意に低下が認められた。 薬剤投与群で血糖値に変化があったが、NASH進展抑制や腫瘍形成の治療効果は認めなかった。
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