2021 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌におけるケモカインを介したがん間質(CAF)との相互作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K09171
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Research Institution | Osaka International Cancer Institute |
Principal Investigator |
秋田 裕史 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 消化器外科 副部長 (70528463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 拓也 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 免疫老化プロジェクト, プロジェクトリーダー (60752368)
東口 公哉 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80804450)
江口 英利 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90542118)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵がん / がん間質 / 癌関連線維芽細胞 / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、膵癌における悪性度が、CAFの個体差に起因するかどうかを検証し、その個体差の原因となる因子を検討することを目的とした。まず8種類のhPSCを用いて膵癌細胞株と共培養実験を行ったところ、共培養するhPSCの違いにより、膵癌細胞株の増殖速度は最大で約1.4倍の違いを認めた(P<0.001)。そこでhPSCの個体差の決定因子を検討するため、様々な治療前臨床因子との相関を調べたが、腫瘍径やCA19-9値、FDG-PETにおけるSUV-max値などは、いずれも有意な相関は認めず、唯一、患者年齢に相関関係を認めた(p=0.051)。これより、癌に対するhPSCの増殖活性能力は、hPSCの老化に伴う、SASP(senescence associated secretory phenotype)が関与している可能性を考え、8症例のhPSCに対して、SASP因子に関連したPCR arrayを行った。PCR arrayの結果、TP53,NFkB1,p16,ATMといった細胞老化経路にかかわる遺伝子や、IL1B,IL6,CXCL12などといったSASP因子として知られるサイトカイン、ケモカインの発現がhPSCの悪性度と相関していることが判明した。またKEGG, Reactomeのデータベースを用いてpathway解析を行ったところ、Cellular senescence pathwayがともに上位にランクインした。さらに、hPSCにおける老化・SASP関連遺伝子の発現と、術前化学療法による腫瘍縮小率との関連を検討したところ、TP53、NFkB1、IL-6のRNA levelはTTRと有意に相関しており、またATMも相関傾向があった。以上より、hPSCは膵癌細胞の増殖側に関与している可能性が示唆され、その個体差は、hPSCの細胞老化に伴うSASPが関与している可能性が示唆された。
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