2020 Fiscal Year Research-status Report
Negative spiral mechanism of cancer associated microenvironment i
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19K09173
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白川 靖博 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60379774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 和広 岡山大学, 大学病院, 助教 (10534761)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 癌関連線維芽細胞 / 食道癌 / がん微小環境 / 化学療法 / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
・正常線維芽細胞に機械的ストレスを加えて分化させると、myofibroblastと呼ばれる活性化形態となり、その振る舞いはCAFsに酷似していることが知られてい る。in vitroのおいて正常食道線維芽細胞に食道癌に対する標準治療である化学療法や放射線治療といったストレスを加えることにより,myofibroblastへの分化の有無を検証した。 ・また治療誘導性CAFsが癌細胞にどのように貢献するのかを検討するため、in vivoではCAFs化した線維芽細胞(myofibroblast)あるいは正常線維芽細胞の上清刺激した癌細胞、さらに癌細胞単独での腫瘍増殖や転移の検討をin vitroおよびin vivoにて行った。
以上に加え、 ・治療誘導性CAFsがどのように癌細胞に貢献するのかサイトカインアレイなど行い、機能解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・ヒト正常線維芽細胞株をシスプラチン、5-FU、または放射線で刺激し、myofibroblastのマーカーであるαSMAおよびFAPの発現を評価したところ、ともに発現 が上昇しており抗腫瘍治療によるmyofibroblastへの分化誘導が示唆された。 ・放射線照射した線維芽細胞によって癌細胞株の増殖能および放射線感受性が上昇する傾向がみられた。またInvasion assayおよびMigration assayにおいても 浸潤および遊走能が上昇しており、特に扁平上皮癌細胞株では遊走能が有意に上昇していた。 ・ルシフェラーゼ発現食道癌細胞株と放射線照射された食道線維芽細胞株をヌードマウス腹腔内に注入し播種結節の形成を評価したところ、播種結節がより大き くまたその結節発生数も多い傾向があった。 ・治療誘導性CAFsの上清をサイトカインアレイにかけ、正常状態の線維芽細胞と比較した。CXCL1、IL6、MCP-1などの上昇を認め、その中のIL6に関しては、FEF3、NHLF、WI38といずれの細胞株においても上昇を認め再現性をが確認できた。 以上、進展することができたが、化学療法後の食道癌切除標本を用いてのCAFsの評価がまだできておらず、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であり、in vivoまでの実験結果をもとに論文化し適切な英文雑誌に投稿する予定である。またreviseなどeditorからの返事によって対応していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究物品が予定より安く購入できたため。次年度に追加実験やまた論文投稿などの費用に当てることとした。
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