2022 Fiscal Year Research-status Report
脂肪肝切除における肝不全と周術期の癌進展におけるメカニズム解析・新規治療法の開発
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19K09174
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 慎太郎 広島大学, 病院(医), 助教 (30457246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 裕尊 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (90359894)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / 虚血再灌流障害 / トロンボモジュリン |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪肝は正常肝に比べ虚血再潅流障害(IR)を受けやすく、IR後に肝内再発を来しやすい。われわれはこれまで、癌とトロンボモジュリン(TM)との関連に着目し、特にTMの減少する脂肪肝IRモデルにおいて、癌が進展するメカニズムを研究してきた。また、マウス脂肪肝IRモデルにおいて、可溶性TM製剤(rTM)が肝障害を軽減しIR後の肝内再発を抑制できるかを検討してきた。 今回、Wildマウス、TMノックアウトマウスを用いて、食餌性脂肪肝モデルマウスを作成し、癌生着の実験を行った。それぞれのモデルマウスの、トロンボモジュリン活性を間接的に評価する目的で、血清プロテインCの活性度を測定したところ、脂肪肝マウスは正常肝マウスに比べ、約50%の活性と有意に低下していた(P<0.01)。また、TMノックアウトマウスは正常肝マウスに比べ約25%(P<0.01)、更に脂肪肝TMノックアウトマウスでは15%(P<0.01)とそれぞれ有意に低下していた。 これらのモデルマウスに対して、マウス肝癌細胞株を脾臓注射し、どの程度、肝臓に生着するかを観察した。また、それぞれのモデルにおいて、IRを加えた後に、同様にマウス肝癌細胞株を脾臓注射し、肝臓への生着を観察した。TMノックアウトマウスにおいては、IR後に約5倍の癌の生着を認め(P<0.01)、TMの欠損により癌の生着が助長されることが示された。また、同様に、肝重量および腫瘍占拠面積の増加を認められた。 更に、治療薬としてrTMを投与することにより、癌の生着率が抑制され、更に3週間後の生存率が45%から100%に有意に改善され(P<0.01)、癌の進展の抑制並びに肝障害の改善などの要因が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
虚血再灌流障害実験に関しては論文掲載に至った。癌生着実験はTMノックアウトマウスを使用した実験をほぼ完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
癌生着実験の論文作成および投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
契約・手続きの問題で、試薬の手配が遅れたため、動物実験計画の若干の遅延のため、僅かながら研究費を繰り越した。現在は手続きも完了し、試薬も入手できたため、遅れいていた試験を再開する予定である。
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Research Products
(2 results)