2020 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム進化モデルにより同定された大腸癌におけるタンパク翻訳開始点制御の異常の解明
Project/Area Number |
19K09176
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 隆明 九州大学, 大学病院, 講師 (50463493)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 5MP1 / 大腸がん / 翻訳リプログラミング / ドラッグリポジショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、翻訳開始制御因子5MP1が、大腸がんにおいてゲノムレベルで増幅した結果発現量が亢進することによりがん遺伝子c-mycのたんぱく安定性を亢進させることで増殖能を促進させる新規のドライバー遺伝子であること、また臨床的に予後不良マーカーになりうることを報告した (Sato, K, Masuda T et al. Novel oncogene 5MP1 reprograms c-Myc translation initiation to drive malignant phenotypes in colorectal cancer. EBioMedicine. 2019;44:387-402.)。 以上を踏まえて、大腸がんにおいてc-myc以外の5MP1の標的遺伝子の同定をリボソームプロファイリングを用いて行うこと、および、バイオインフォマティクスを用いて5MP1による遺伝子変化と逆相関を示すような変化をさせる化合物つまり5MP1シグナルを抑制する治療化合物の同定を行っている。現在、候補化合物を複数個同定し、そのうちの一つ化合物Aはin vitro, in vivoでの5MP1依存性の増殖能抑制効果を示した。現在化合物Aの作用機序について検討している。 また、膵がんにおいても大腸がん同様に臨床的、生物学的意義を検討し、大腸がん同様に化合物Aがin vitroにおいて5MP1依存性の増殖能抑制効果を示すことを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リボソームプロファイリングは技術的に非常に困難のため現在まで再現性のあるデータが得られていない。しかし、プロトコールを改良し手技的に改善された。近日中に再解析を行う予定である。一方で標的化合物の同定は順調に進んでおり、現在そのメカニズムについて検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はリボソームプロファイリングを試行し5MP1の新規の標的候補遺伝子群を同定する。そしてWestern blot等を用いて検証を行う。さらに大腸がん進展における役割をin vitro, in vivo解析により明らかにする。オルガノイドやPDXマウスも使用する予定である。治療標的化合物の同定に関しては、抗腫瘍効果のメカニズムの解明と安全性の検証を行う。膵がんにおいてはin vivo実験で5MP1の膵がん進展における役割を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
次年度の実験消耗品にて使用予定
|
Research Products
(4 results)