2019 Fiscal Year Research-status Report
樹状細胞サブセットの選択的貪食による革新的XCL1産生腫瘍細胞ワクチンの開発
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19K09183
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
勝田 将裕 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50464673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畑 裕司 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00535338)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
水本 有紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60596980)
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90549734)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がんワクチン / 樹状細胞 / XCL1 / XCR1 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、プラスミドベクターpcDNA3を用い、Bgl IIでプラスミドを切断・直線化した後に、Pan02へlipofection(Lipofectamine3000)し、NeomycinによるDrug selectionを施行。Limiting dilutionによりクローンをpick upし、Real time PCR/ELISAにてXCL1産性能を有するXCL1分泌型腫瘍細胞の作成を確認した。Pan02、XCL1産生 Pan02を各5×105 cell/mouseでC57BL/6 mice にinoculationし、生着能・増殖能比較したが、差は認めなかったXCL1産生 Pan02をそれぞれ放射線処理後、in vitro overnight cultureし、7AADとAnnexinVでFACSし、アポトーシス細胞をほとんど認めず増殖能のない、かつ、XCL1を大量に産生するXCL1分泌型腫瘍細胞ワクチンが作成されたことを確認した。腫瘍増殖予防モデルとして、A群:Pan02-XCL1、B群Pan02各5×105 cell/mouseでC57BL/6 mice にinoculationし、1W後、マウス脾臓CD8+T細胞で抗原に対するintracellular IFN-γを解析したところ、A群で有意な抗原特異的なCD8+T細胞の誘導が確認された。なお、XCR1+ DCはマウス・ヒトともにToll-like receptor3(TLR3)を特異的に発現しているため、免疫アジュバントとしてTLR3 agonistであるpoly(I:C)併用時についても同様に解析したが、これまでのところアジュバント併用による有用性は見いだせていない。次に、治療モデルとしてPan02接種後7日目の投与で各群間での腫瘍縮小効果を経時的に解析し、腫瘍増殖抑制効果の増強する傾向を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通りの研究を着実に実施できている。得られている成果も概ね期待通りで研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本学の改正研究室(改正恒康教授)では、XCL1発現腫瘍細胞ワクチンの効果の解析に必要な遺伝子改変マウスを確立している。我々は他の研究施設では遂行不可能なこの遺伝子欠損マウスの実験系を導入し、XCL1発現腫瘍細胞ワクチンがXCR1+ DCを介して抗腫瘍効果を発揮していることを証明する。すなわち、実験④を遺伝子欠損マウスを用いて行う。この遺伝子改変マウスはXCR1遺伝子座にジフテリア毒素受容体(DTR)±蛍光蛋白venousをコードする遺伝子をノックインしたマウスで、XCR1+ DCを一過性あるいは恒常的に欠失させることが可能である。局所免疫環境をIHSで解析する。 ICIの併用による抗がん効果の増強の検討は、前述と同様のマウス腫瘍モデルを用いて、新規ワクチンとともに抗PD-1抗体をDay14,17,21に投与した群としない群で抗がん効果の増強を検討する。また局所免疫環境をIHSで解析する。副作用についても評価する。 最終目標は、本研究により患者生体内で強力かつ安全にneoantigenを含む複数のがん特異的CTLを大量に誘導する新規XCL1産生膵癌細胞ワクチンを臨床応用し、ICIとの複合免疫療法を確立することで軽微な副作用でがんを死滅させるような強力な新規がん治療法を確立することである。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で物品の搬入が遅れたため。納入後、予定通り研究を進める。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Anticancer Effects of Chemokine-Directed Antigen Delivery to a Cross-Presenting Dendritic Cell Subset With Immune Checkpoint Blockade2020
Author(s)
Yuki Mizumoto, Hiroaki Hemmi, Masahiro Katsuda, Motoki Miyazawa, Yuji Kitahata, Atsushi Miyamoto, Mikihito Nakamori, Toshiyasu Ojima, Kenji Matsuda, Masaki Nakamura, Keiji Hayata, Yuri Fukuda, Masanaka Sugiyama, Tomokazu Ohta, Takashi Orimo, Soichiro Okura, Izumi Sasaki, Koji Tamada, Hiroki Yamaue, Tsuneyasu Kaisho
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Journal Title
Gan To Kagaku Ryoho .
Volume: 122(8)
Pages: 1185-1193
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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