2021 Fiscal Year Research-status Report
樹状細胞サブセットの選択的貪食による革新的XCL1産生腫瘍細胞ワクチンの開発
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19K09183
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
勝田 将裕 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50464673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畑 裕司 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00535338)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
水本 有紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (60596980)
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90549734)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がんワクチン / 樹状細胞 / XCR1 / XCL1 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、MC38およびB16へのlipofectionとNeomycinによるLimiting dilutionによりXCL1産性能を有するXCL1分泌型腫瘍細胞のクローン(MC38-XCL1、B16-XCL1)を作成した。C57BL/6 miceを用いた皮下腫瘍モデルにおいて、MC38-XCL1およびB16-XCL1は、それぞれMC38またはB16と比べて有意に腫瘍の増殖が抑制された。このことより、腫瘍局所の微小環境において、XCL1は腫瘍増殖に抑制的に働くことが示唆される。 さらに我々は、MC38-XCL1、B16-XCL1の放射線処理にて、アポトーシス細胞をほとんど認めず増殖能のない、かつ、XCL1を大量に産生するXCL1分泌型腫瘍細胞ワクチン(MC38-XCL1-vac、B16-XCL1-vac)を作成した。C57BL/6miceにMC38、または、B16腫瘍細胞とMC38-XCL1-vac、または、B16-XCL1-vacを同時接種する腫瘍増殖予防モデルでは、いずれもワクチン投与により有意な腫瘍増殖抑制効果を認めた。 これまでのところ、MC38-XCL1-vacによる腫瘍増殖抑制効果は、XCR1のKOマウスおよびB2MのKOマウスではキャンセルされることがあきらかとなり、本研究で開発したワクチンの腫瘍増殖抑制効果はXCR1およびCD8T細胞依存性であることが示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初計画申請したスケジュール通りに研究は進捗しており、事前に予想した結果から大きく外れることなく進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた通り、以下についての検討を進める。 MC38-XCL1-vac、B16-XCL1-vac投与後、drainage LNにおけるCD8T細胞を採取し、MC38およびB16をtargetとするCr51-release assayにて腫瘍特異的なCTLの誘導を確認する。 また、ワクチン接種部位の局所免疫環境をIHSで解析する。XCR1を蛍光標識したXCR1-venous mouseを用いてC57BL/6 miceにMC38-XCL1-vac、B16-XCL1-vacを投与し、MC38およびB16の投与をコントロールとしてワクチン投与局所へのXCR1DCの集積を確認する。 さらに、MC38-XCL1-vac、B16-XCL1-vacのICIとの併用による抗腫瘍効果の相乗効果を検討する。これまでと同様のマウス腫瘍モデルを用いて、ワクチンとともに抗PD-1抗体を投与した群としない群で抗がん効果の増強および副作用の発現を検討する。またICI併用時のワクチン投与局所免疫環境をIHSで解析する。 最終目標は、本研究により患者生体内で強力かつ安全にneoantigenを含む複数のがん特異的CTLを大量に誘導する新規XCL1産生膵癌細胞ワクチンを臨床応用し、ICIとの複合免疫療法を確立することで軽微な副作用でがんを死滅させるような強力な新規がん治療法を確立することである。
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Causes of Carryover |
研究計画は概ね当初の予定通り進んでいるが、初年度に購入した物品を用いて効率的に研究を進めることができたこと、次年度の研究計画に新たな物品の購入が 必要になることから繰り越して次年度使用額とした。
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