2020 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞特異的に発現するイオンチャネルを標的とした肝細胞癌治療法の開発
Project/Area Number |
19K09202
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
藤井 俊 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (70837773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
塩崎 敦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40568086)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝臓外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト肝細胞癌細胞株Hep-G2より、ALDH1A1高発現細胞をsorting後、sphere形成能を有する細胞のみを分離培養した。分離培養した細胞株においてALDH1A1 mRNAは高発現しており、抗癌剤(シスプラチン)耐性が確認できた。Hep-G2由来癌幹細胞株と親株での遺伝子発現をmicroarrayを用いた網羅的解析により比較検討したところ、EPCAM、CD133、ALDH1A1などの癌幹細胞マーカーの上昇と共に、CACNA2D4、CACNG4等の電位依存性Ca2+チャネル(voltage-gated Ca2+ channel: VGCC)の発現増強が確認された。VGCCに着目し解析を進めたところ、VGCC阻害剤であるアムロジピンが、癌幹細胞においてより強い増殖抑制効果を示した.アムロジピンは高血圧・狭心症治療薬として、臨床で広く用いられている薬剤である。これらの研究成果は学会や、英文論文として報告する予定である。 一方で、胃癌幹細胞株におけるVGCCの 高発現と、その阻害剤であるアムロジピン、ベラパミルの癌幹細胞抑制効果を見出し報告した(Ann Surg Oncol. 2021)。また、食道癌におけるANO9 (Ann Surg Oncol. 2020)、CLCN2 (Ann Surg Oncol. 2021)、CFTR (Ann Surg Oncol. 2021)、胃癌におけるANO9 (Cancer Sci. 2021)などのイオン輸送体の機能解析・臨床病理学的意義を解明した。同時に、上部消化管癌における、イオンチャンネルを介した細胞死・生存制御機構に関する新知見と既報を総説論文としてまとめた(Front Cell Dev Biol. 2021)。
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