2019 Fiscal Year Research-status Report
免疫遺伝子発現シグネチャーによる食道がん術前化学療法の奏効予測
Project/Area Number |
19K09206
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤田 征志 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (80564749)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 食道がん |
Outline of Annual Research Achievements |
パイロット研究に用いたサンプルに加えて、追加の生検組織を研究協力者からご提供いただいた。これにより食道扁平上皮癌74症例について、術前化学療法前の生検組織が得られた。また術前化学療法の奏効性をはじめとする各種臨床情報もご提供いただいた。治療法は約半数がDCF療法、残りがFP療法およびCRT療法となっている。生検組織からtotal RNAを抽出し、高品質なRNAについてはTruSeq Stranded mRNA Sample Prep kitで、そうでないものについてはKAPA RNA HyperPrep Kit with RiboEraseを用いて、RNA-Seqライブラリを作成した。シーケンシングにはIllumina HiSeqを用いた。得られたRNA-SeqリードはSTARソフトウェアを用いてヒトゲノム配列へマッピングし、featureCountsソフトウェアを用いて遺伝子あたりのリード数を算出、自作スクリプトを用いてFPKM発現量を算出した。またRNA-SeQCを用いて品質チェックを実施した。またFPKM発現量から、各種の免疫遺伝子発現シグネチャーを算出した。具体的にはCIBERSORT, MCPCounter, EPIC, xCELLを適用することで、CD4 T細胞、CD8 T細胞、制御性T細胞、マクロファージ、NK細胞、B細胞、樹状細胞、好中球、単球など、腫瘍内浸潤免疫細胞の分画を推定した。また抗腫瘍免疫の指標としてcytolytic activity, ESTIMATE, インターフェロンγシグネチャーを算出した。またT細胞シグネチャー遺伝子に階層的クラスタリング法を適用し、腫瘍をHot、Coldへと分類した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
追加の食道扁平上皮癌の生検組織について、予定通りRNA-Seq解析、および免疫遺伝子発現シグネチャーの算出を終えることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
RNA-Seqおよび免疫遺伝子発現シグネチャー算出を終えた74症例について、シグネチャーと術前化学療法奏効性の関連を統計的に解析していく。化学療法奏効性は、RECIST基準の responder (CR+PR)対non-responder (SD+PD)の比較とする。個別の免疫遺伝子発現シグネチャーと化学療法奏効性の単変量解析を実施する。さらに奏効性との関連がみられたシグネチャーについて、複数シグネチャーの組み合わせと奏効性の多変量解析を実施する。これにより術前化学療法奏効性を免疫的性質に基づいて予測するモデルを構築する。また独立なコホートを用いて、このモデルの予測精度を検証する。
|
Research Products
(5 results)