2021 Fiscal Year Annual Research Report
分子署名に基づいた血中循環腫瘍細胞の細分類化と膵癌集学的治療の精密化への臨床応用
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19K09209
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
元井 冬彦 山形大学, 医学部, 教授 (30343057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 徹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30282122)
畠 達夫 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30806237)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、膵癌患者の末梢血から血中循環腫瘍細胞(Circulating tumor cells, CTC)を単離し、上皮・間葉系マーカー発現に基づいてサブタイプ分類を行うことである。CTCの単離は企業と共同研究で進める方針であったが、前年度の報告の如く機器トラブルの関係でセルソーターの使用が困難となった。そこで転移部位別の治療効果判定や再発予測への有用なバイオマーカーの同定を試みるという大筋を維持しつつ、解析対象としてセルフリー分画に着目して継続した。生体試料中のセルフリー分画には腫瘍細胞のみならず非腫瘍細胞に由来する核酸、サイトカイン等も混在しているが、CTCに比べ単離が容易であり、細胞間の不均一性を考慮する必要がない、等の利点があり、期待される結果や実行可能性も鑑み、転移部位別に特異的なmolecular residual diseaseを診断可能とするバイオマーカー(ctDNA、エクソソームmiRNA)の同定を試みた。ctDNAについては腹腔洗浄液中のセリフリー分画からDNAを抽出し、デジタルPCRおよびターゲットシーケンスを用いて膵癌関連遺伝子異常を複数見出した。これらの遺伝子異常は腹膜転移を認めずかつ腹腔洗浄細胞診が陰性であった症例からも検出され、腹腔洗浄液中のセルフリーDNAに含まれるctDNAはmolecular residual disease の存在診断に有用な可能性が示唆された。エクソソームの単離については、プロトコール改良により安定して高収量を得ることが可能となった。単離したエクソソームはNanoparticle tracking analysisを用いた粒径、プロテインアレイによるエクソソーム特異的なタンパク質の発現によって確認した。さらに、エクソソームからmiRNAの抽出を行い、デジタルPCRにて幾つかのmiRNAの特異的増幅を確認した。
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[Journal Article] Impact of Tumor-Derived DNA Testing in Peritoneal Lavage of Pancreatic Cancer Patients with and Without Occult Intra-Abdominal Metastases.2022
Author(s)
Chiba K, Hata T, Mizuma M, Masuda K, Aoki S, Takadate T, Kawaguchi K, Nakagawa K, Morikawa T, Motoi F, Furukawa T, Unno M.
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Journal Title
Ann Surg Oncol.
Volume: 29
Pages: 2685-2697
DOI
Peer Reviewed
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