2019 Fiscal Year Research-status Report
消化管癌に対するイリノテカン療法の効果増強を目指した新たな治療法の開発
Project/Area Number |
19K09219
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐伯 浩司 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80325448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 幸滋 九州大学, 大学病院, 助教 (20608864)
沖 英次 九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 消化管癌 / topoisomeraseI 阻害剤 / ユビキチンプロテアソーム経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
イリノテカンに代表されるtopoisomeraseI (topoI)阻害剤の耐性メカニズムの解明を行った。topoI阻害剤の暴露によりtopoIが分解される場合、topoI阻害剤耐性となる。このメカニズムにはDNAPKcs, Ku70, Ku80, BRCA1およびBARD1がかかわっていることを解明した。具体的にはtopoI阻害剤によりDNA二重鎖切断が起きるとDNAPKcs, Ku70, Ku80の複合体であるDNAPKが活性化され、topoIのセリン10残基がリン酸化される。セリン10がリン酸化されたtopoIをBRCA1/BARD1複合体がtopoIをユビキチン化し、ユビキチンプロテアソーム経路(UPP)によりtopoIは分解される。TopoIが分解された癌細胞ではtopoI阻害剤は効果がなく、耐性となる。我々はこのメカニズムに着目し、効果増強を目指した治療法の開発を行った。TopoIの分解を抑制することができれば、イリノテカンをはじめとした、topoI阻害剤の効果増強を狙うことができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず、ユビキチンプロテアソーム経路を抑制すれば、topoIは分解されないので、プロテアソーム阻害剤をtopoI阻害剤とともに用いれば、topoI阻害剤の効果増強を狙うことができると考えた。プロテアソーム阻害剤にはMG132やボルテゾミブがある。これらの効果を見るために、イリノテカン耐性大腸癌細胞株を用いて検討を行った。三つの群に分け、検討を行った。1.イリノテカンのみ、2.プロテアソーム阻害剤のみ、3.両剤、の三群である。1.2ではIC50はほぼ変化なく、また細胞死も起きなかった。一方で、3.ではIC50は低値を示し、細胞死を認めた。これによりイリノテカンとプロテアソーム阻害剤の相互作用により、イリノテカン耐性を克服できることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、よりよいプロテアソーム阻害剤を探索していく。また、topoIをユビキチン化するBRCA1/BARD1に着目した研究を行っていく。これには、topoIとBRCA1/BARD1の結合を阻害する小分子化合物をまずは探索していく方針である。
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Causes of Carryover |
2019年度に、スクリーニングで明らかになった関連因子の高発現株と低発現株を検索し、イリノテカン投与後の topoI分解の違い、さらにイリノテカン感受性の違いについて検討を行う予定であったが、計画を変更し、2020年度に行うこととしたため、未使用額が生じた。このため、イリノテカン感受性の解析を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることにしたい。
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Research Products
(1 results)