2022 Fiscal Year Research-status Report
腹部大動脈瘤の拡大速度を規定する病理組織学的因子に関する前向きコホート研究
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19K09234
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濱田 庸 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (20611958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 均 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00400333)
赤松 大二朗 東北大学, 大学病院, 講師 (40420012)
今井 陽介 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60431524)
菅原 宏文 東北大学, 大学病院, 助教 (60451572)
権田 幸祐 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80375435)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腹部大動脈瘤 / 前向き研究 / シミレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に報告した通り現状では約3年にわたるコロナウイルス感染症流行の影響により、研究計画遂行に大きな支障が生じている。今年度も遅れを取り戻すべく、昨年度と同様に大動脈瘤の拡大速度を規定する病理組織学的因子を解析するため、大動脈瘤血流シミレーション技術の確立と習得、大動脈瘤症例の瘤径の継時的変化の観察、また、大動脈瘤壁の組織サンプルの蓄積、得た技術をもとにした大動脈瘤破裂症例の血流シミレーション等を行う予定であった。しかしながら、今年度は、昨年度よりは落ち着きを見せたものの引き続いてコロナ感染流行の波が繰り返し訪れた。研究代表者が所属するのが大規模医療機関である事から、大動脈瘤血流シミレーションソフトを開発する予定であった神戸大学との共同研究が、人的交流を含めて困難である状況は研究期間を通じて変化する事はなかった。当初より人的交流を基礎としている事、患者研究である以上、診療制限がたびたびかかる状況であった事から、研究遂行は非常に困難であった。 オンラインミーティングを活用もしているものの、オンラインではその特性からプライバシーに配慮した患者データのやり取りには限界があり、それを元にしたシミレーションデモは行っているものの、数名程度にとどまっている状況は昨年と変わりない。 また、引き続きコロナウイルス感染症の影響で、そもそも大動脈瘤の新規受診症例が減少していることは変わりなく、また、ICU病床・手術室の利用制限も同様であるため、大脈瘤手術症例の蓄積を行う事が困難である事にも変わりがない。 したがって今年度も研究実績は、残念ながらほぼ得られていない。コロナウイルス感染症は収束の糸口が見えてきた感があるため、研究期間延長を申請し、受理されている。今後、研究計画の推進を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前述したように、大動脈瘤血流シミレーションに関しては、神戸大学へ赴き、ミーティングを行い、シミレーションプログラムを作成、検討、ブラッシュアップして東北大学の研究者が直接手技習得を目指す予定であった事は昨年と変化ないが、昨年度に引き続いて、実際に患者を診察する立場の医師の頻繁な往来が困難になってしまったため、研究遂行に大きな支障をきたしている状況は変わりない。したがって後述する別のシミレーション研究グループとの共同研究に切り替えることを検討し、数回ミーティングを行ったが、シミレーションを実現するうえで重要なパラメーター設定に難渋している。神戸大学とはその過程において、討議に参画していただき、ご意見、ご指導をいただく方向となっている事は昨年と同様である。 しかしながら、手術枠制限やICU病床の利用制限など、腹部大動脈瘤の新規患者の蓄積が困難である状況は変わっておらず、コロナ感染症の収束が得られなければ、今後の研究遂行はかなり難しいことには変わりない。次年度に研究計画延長申請が受理されており、5類感染症となれば、研究計画の遅れをある程度挽回する事ができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
5月にコロナウイルス感染症が5類に引き下げらる予定であることから、当初の研究計画に沿って延長申請を出し、受理されているので、今後はシミレーションプログラムや患者データ集積に力を入れ、研究計画の遅れを取り戻す方針としている。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症により、ほぼ研究計画が遂行できなかったため、次年度使用額が生じた。研究計画延長が受理されているため、研究計画を進めるため、鋭意使用していく方針である。
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