2021 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈解離に対する流体力学評価および病態バイオマーカーによる新規治療戦略の確立
Project/Area Number |
19K09244
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金 啓和 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (70532985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 和男 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10507205)
政田 健太 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60770584) [Withdrawn]
倉谷 徹 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授 (90448035)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大動脈解離 / 4D-computed tomography / 大動脈弾性率 |
Outline of Annual Research Achievements |
Stanford B型大動脈解離に対するステントグラフトを用いたエントリー閉鎖の偽腔拡大抑制効果が注目されているが、治療後にもかかわらず偽腔拡大抑制が得られない症例も認められ、遠隔期の瘤拡大メカニズム解析が必須である。規定因子と目される血流動態、大動脈圧、剪断応力分布変化などの流体力学的変化を新たなmodalityである4D-MRIおよび4D-CTをもとに真腔及び偽腔の流体力学的解析を行い、遠隔期の瘤拡大予測をする試みがなされているがいまだ臨床応用するレベルにはいたっておらず、流体力学的要因のみならず新たな付加的因子が瘤拡大を規定している可能性が考えられる。うち、動脈壁の組織 状態が瘤化因子として関与する可能性があると考えるが、我々は動脈瘤患者の血中のmiRNAを網羅的に調べることで動脈瘤壁の組織状態を鋭敏に反映する新たなる血液マーカーとなりうる可能性があることを報告してきた。本研究の目的は非侵襲的な診断ツールとして新たなmodalityを用いたイメージング検査と大動脈壁の状態をより鋭敏に反映する血液マーカー検査を組み合わせることでB型解離における将来的なイベントを予測し、数多い治療法の中でもっとも有効性の高い治療システムを開発することである。昨年までにB型大動脈解離発症後で降圧安静を施行され全身状態が安定した患者において、4D-イメージを撮影し、壁応力を中心とした大動脈へのストレスをシミュレーションし、血流動態および拡大因子の解析をこころみているが、その解釈や定量性に問題を残している。そのため、前実験として4D画像から予測される壁の弾性を手術症例の摘出標本で突合する研究をおこない、日本胸部外科学会で学会報告を行う予定であり、同テーマの論文を執筆中である。バイオマーカーについては、上記研究の停滞により進行が遅れている。
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