2021 Fiscal Year Research-status Report
Microsomal Prostaglandin E Synthase-1/PGE2 axis induces recovery from ischemia via recruitment of regulatory Tregs
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19K09250
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
天野 英樹 北里大学, 医学部, 教授 (60296481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 耕二 北里大学, 医学部, 准教授 (30327324)
北里 英郎 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (90195256)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管新生 / mPGES-1 / EP4受容体 / 制御性T細胞 / TGF-beta |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は以下に記した実験をおこなった①Tregs移植後の虚血改善効果の検討②TregsがTGF-betaを産生するか否かの検討③EP1-EP4アゴニストをTregs細胞に刺激し,どのアゴニストによる刺激が最もTGF-betaを発現するか否かの検討を行った。1.mPGES-1KO及びWT由来のTregsによる虚血改善効果の検討: WT及びmPGES-1KOの胸腺からTregs(CD4+CD25+)と非Tregs(CD4+CD25-)を抽出し,マウスに移植する。移植後5日目にmPGES-1KOでモデルを作成し,経時的に左右血流比を測定し、mPGES-1KOでWT由来のTregsを投与するとWT由来の非Tregsを移植した群と比較し有意に虚血の改善を認めた。2.TregsでのTGF-beta発現効果の検討:WT及びmPGES-1KOの胸腺からTregs(CD4+CD25+)を抽出後,培養する。CD3抗体でTregsを抗原刺激し,WT及びmPGES-1KOのTregsでTGF-betaの発現に差があるか否か定量的PCRを用いて検討したところ、TregsでのTGF-betaの発現はWTと比較し、mPGES-1KOで有意に発現の低下を認めた。3.EP1-4アゴニスト刺激下でのTGF-の発現効果の検討:WT及びmPGES-1KOの胸腺から抽出したTregsを培養にEP1-4アゴニストをTregsに添加し,TGF-betaの発現効果について検討した。EP4アゴニストを添加すると他のアゴニスト添加した時よりも有意にTGF-betaの発現の増強を認めた。これはWT及びmPGES-1KOで認められた。以上の結果よりTregsのEP4受容体がTGF-betaの発言を増強することで虚血の改善を促進することが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.新型コロナ感染症に伴う薬品、マウスの購入の遅れを認めたこと2.コロナ禍の医学部の教育形態が変わり、研究に割く時間が以前より厳しくなったため、当初計画した通りの70%しか遂行することができなかったものの、研究成果は日本薬理学会年会、日本炎症再生医学会(シンポジスト)で発表することができた。しかしながら、投稿論文の追加実験に関して遂行できなかったところがあった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究結果よりmPGES-1/PGE2/EP4シグナルが虚血の改善に関与していることが推測された。 しかし、以下に記す3つのことが明らかになったいない①他の免疫細胞は虚血改善に関与するのか?(WT及びmPGES-1KOで虚血筋肉周囲に集積する他の免疫細胞(Bリンパ球,CD4, CD8)、MDSCについてFACS を用いて検討をおこなった。mPGES-1KOの虚血筋組織に集積するBリンパ球,CD4,CD8はWTと比較し有意に低下を認めたが、MDSCについてはWT,mPGES-1KOで差は認められなかった。他の免疫細胞も虚血の改善に関与していることが示唆された。今後Tregsが他の免疫細胞と比較し虚血改善促進能力があるか否か更に探求していく必要性がある)②WTとmPGES-1KOのTregsの機能に違いを認めるのか?である。新型コロナウイルス感染症の影響で期間中に明らかかにすることができなかったのでもう1年延長を申請し、この2つの疑問点を明らかにする方針である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症に伴う商品購入の遅れ、研究に割く時間の短縮に伴い次年度使用額が生じました。 今後の使用計画 実際にEP4受容体が虚血の改善効果があるか?前項に記しましたが、Tregsが自身が虚血改善効果があるのか?mPGES-1KOとWTとの間にTregの機能に差があるか?の3つを検討する。 1.EP4受容体の虚血改善効果の検討:下肢虚血モデル作成後、選択的EP4アゴニストを投与し経日的に虚血の改善効果をレーザードップラーを用いて検討する。2.胸腺由来Tregの虚血改善効果の検討:WT由来のTregsと非Tregsを抽出し、下肢虚血モデルを作成したmPGES-1KOに移植し経日的に虚血の改善効果をレーザードップラーを用いて検討する。3.in vitro suppression asayによるTregsの機能評価:WT及びmPGES-1KOの胸腺、脾臓からTregを抽出し、CD8陽性T細胞の増殖抑制効果がWTとmPGES-1KOで差があるか否か検討する。
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[Journal Article] Activation of iNKT Cells Facilitates Liver Repair After Hepatic Ischemia Reperfusion Injury Through Acceleration of Macrophage Polarization2021
Author(s)
Takuya Goto, Yoshiya Ito, Masashi Satoh, Shuji Nakamoto, Nobuyuki Nishizawa, Kanako Hosono, Takeshi Naitoh, Koji Eshima, Kazuya Iwabuchi, Naoki Hiki, Hideki Amano
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Journal Title
Frontiers in Immunology
Volume: 12
Pages: 754106
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 肉芽組織形成を促進するmPGES-1/PGE2経路のメカニズムと制御性T細胞との関連性の解析2022
Author(s)
兵頭徹也,天野英樹, 伊藤義也, 細野加奈子, 畑中 公, 江島耕ニ, 林泉, 植松智, 審良静雄,武田啓, 馬嶋正隆
Organizer
第95回日本薬理学会年会
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