2019 Fiscal Year Research-status Report
心臓移植後の冠動脈病変の進行を低侵襲的に予測する方法の検討
Project/Area Number |
19K09256
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
渡邉 琢也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (20627509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 学 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (30408827)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心臓移植 / 移植免疫 / 移植心冠動脈病変 / 微小血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究項目は、心臓移植後の遠隔予後に影響する合併症である移植心冠動脈硬化症の進行を低侵襲的に予測する新しい手法を構築することである。その手段として着目しているのは、(1) 心筋生検による微小血管の変化、及び(2)移植心筋組織内の冠動脈血管壁へのレシピエント細胞の迷入の解析、並びに(3)レシピエントの上腕動脈の血流依存性血管拡張反応検査で評価される末梢血管内皮機能検査、の3項目である。 (1)心筋生検による微小血管の変化及び(2)移植心筋組織内の冠動脈壁へのレシピエント細胞の迷入の解析については、現在研究計画書を作成して準備を進めているところである。上記研究に使用する心筋病理検体については、心臓移植後患者の定期精査入院において蓄積され、臨床情報についても集積されている。(3)レシピエントの上腕動脈の血流依存性血管拡張反応検査で評価される末梢血管内皮機能検査については、心臓移植後患者の定期入院に合わせて計測し、研究対象者の組み入れを進めているところである。 本研究課題初年度の2019年度には当院では新規に17例の心臓移植が実施されており、心臓移植後急性期の冠動脈病変の変化と上記の指標との関連を評価していくこととしている。 また、本研究課題の研究費の下で、心臓移植後患者の長期予後に関連する因子である腎機能障害の進行や拒絶反応の発症を抑制するためことを期待して用いられる免疫抑制薬バシリキシマブの有効性に関する研究論文を投稿し、現在改訂中である。特に拒絶反応は移植心冠動脈硬化症の進行にも関連する重要な因子であり、本研究論文から得られた知見は、本研究課題の結果を考察するうえでの重要な基盤となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)心筋生検による微小血管の変化及び(2)移植心筋組織内の冠動脈壁へのレシピエント細胞の迷入の解析については、その解析手法の確定に難渋しており、やや遅れていると評価している。(3)レシピエントの上腕動脈の血流依存性血管拡張反応検査で評価される末梢血管内皮機能検査の測定についてはおおよそ順調に症例蓄積できている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)心筋生検による微小血管の変化及び(2)移植心筋組織内の冠動脈壁へのレシピエント細胞の迷入の解析について、分担研究者との連携を強化することで研究を推進していく方針である。研究解析の委託を進めることが一つの対応策となると考えている。
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Causes of Carryover |
本研究課題の遂行のために来年度に持ち越しを予定している。具体的には研究項目の測定のための費用及び研究発表の費用として使用することとしている。
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Research Products
(5 results)