2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel bio-resorbable small diameter vascular graft in large animal models.
Project/Area Number |
19K09258
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
紙谷 寛之 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30436836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 恭平 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00818479)
若林 尚宏 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20827745) [Withdrawn]
吉田 巧 富山県産業技術研究開発センター, その他部局等, 主任研究員 (80741751)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Polycaprolactone / 細径人工血管 / 3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
小口径人工血管はいまだに臨床応用されておらず、心臓血管外科領域においては長年の夢であった。本研究の課題では生体吸収性素材であるPolycaprolactone(PCL)を材料として、3Dプリンター技術である電子紡績法で作成した細径血管を、大動物モデルを用いて評価する。予備実験としてラットを用いた実験を行っていたが、移植後半年の時点においてもPCLは完全には吸収されておらず、グラフトの品質、あるいは紡績法に問題があるのではないかと考え、共同研究者であるブラジルのRio Grande大学のPranke教授とたびたび連絡を取り、薄さ、編み方など品質の改善に努めるとともに、日本国内において品質に優れたPCLグラフトの入手を試み、3Dプリンター技法に優れた知見を持つ富山県産業技術研究開発センター生活工学研究所と共同研究の提携を新たに結び、らせん状編み方を用いた新たなPCLグラフトを試作品として共同開発した。その新しいグラフトの評価はラットモデルで解析済みであり、また糖尿病ラットモデルにおいても評価を行った。ラットモデルにおいて、PCLグラフト内腔には血管内膜(内皮細胞と平滑筋細胞)が再生し、1年以上開存することを明らかにした。糖尿病病態下においてPCLグラフトの開存性は著しく低下するが、血糖値を適切にコントロールすることで健常動物と同程度の内膜再生と開存性を示すことを明らかとした。実用性を評価するために内径3mmのPCLグラフトを上記の方法で作成し、ブタ冠動脈バイパスモデルでの評価を行った。PCLグラフトは、吻合および血圧に耐えうる十分な強度を持つが、1日以内に血栓閉塞してしまい抗血栓性の付加が必要であることを明らかにした。抗血栓性の課題に対し、PCLグラフトを親水性ポリマーでコーティングすることにより、血小板吸着を抑制できることを発見し、本技術を特許申請準備中である。
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